2024 年 12月 24日 (火)
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志望者殺到「プロンプトエンジニア」 [KWレポート] 韓国でブーム「プロンプト」とは何だ (2)

(写真=イーサン・モリック氏Twitterキャプチャー)(c)MONEYTODAY

プロンプトエンジニアとは――AIが特定問題に関連して適切に回答できるよう、多様なコマンドを入力したり、その実験をしたりする職業を指す。「AI調教師」「AIウィスパーラー」(Whisperer=ささやく人)とも称される。

生成型AIを活用する企業では、プロンプトエンジニアは、内部を覗き見ることができない「ブラックボックス」から宝物を拾う、という役割を担う。目指す結果を導き出すには、精巧なプロンプトが必須であるためだ。

プロンプトエンジニアは、生成型AIが安全規則を順守するのか、また利用者との相互作用が可能なのか――をテストする役割も果たす。

こうした業務に対し、海外では3億~4億ウォン(約3000万~4000万円)の年俸が提示される。

韓国の人工知能(AI)スタートアップ「リートンテクノロジーズ(wrtn Technologies)」が最近、人材を募集したところ、プロンプトエンジニアに志望者が殺到した。

年俸1億ウォン(約1000万円)という破格な条件を掲げたのに加え、コーディングを知らない文科系の人材も志望できるようハードルを下げたことが奏功した。

◇「業種別」売買市場、規模拡大の展望

ビッグテックごとに生成型AIが多角化され、高度化されるほど、プロンプトエンジニアの市場がさらに大きくなるという展望もある。

文字だけでなく写真・映像・音楽など創作分野別に、オーダーメード型プロンプトエンジニアが登場するということになる。

リートンテクノロジーズのユ・ヨンジュン取締役は「今はテキストに集中している。今後さまざまな領域に伸びていくならば、それぞれの分野で求められるプロンプトエンジニアリングというものが存在するだろう」とみる。

英国のソフトウェア開発者サイモン・ウィルソン氏は、ユーザーが入力したプロンプトをもとに画像を生成するAIサービス「ステーブル・ディフュージョン(Stable Diffusion)」に言及し、「こうしたイメージ生成型AIを利用するプロンプトエンジニアには、美術史の学位が不可欠だ。ピカソやモネよりも、多くの芸術家の名前を語ることができなければならない」と強調した。

業種別プロンプトを作成して販売するサイトも登場した。

昨年6月、プロンプトを売買するための市場「プロンプトベース(Prompt Base)」が登場して以後、「チャットX」「ニュートロンフィールド」などが立ち上がった。希望するイメージを作り上げるために必要なプロンプトを1件ずつ販売するサイトだ。まだ規模は小さいが、生成型AIの大衆化が進めば、市場規模も大きくなると展望されている。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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