韓国財閥ハンファグループが、造船世界3位の大宇造船海洋の買収予定者に選ばれた。韓国では、大宇造船海洋、韓国造船海洋、サムスン重工業の3社を造船「ビッグ3」と呼ぶ。韓国造船業の競争力強化のため「ビッグ2」体制に切り替える計画は、立ち消えになった。
ムン・ジェイン(文在寅)政権では、現代重工業が業績不振の大宇造船を買収することによる産業構造調整を進めていた。しかし、欧州連合(EU)がこの買収計画に反対。ハンファグループによる大宇造船買収により、「ビッグ3」体制が存続、強化されるとみられる。果たして「ビッグ3」体制の強化が、韓国造船産業にとってプラスになるだろうか。
大宇造船が事実上、オーナー不在の会社で、短期的利益を狙い、低価格でも受注する戦略がとられてきた。これによって韓国造船会社間で、互いに身を削るような過当競争が進行していた。多くの専門家は、ハンファグループによる買収によって、新しいオーナーが経営すれば、公正な競争が生まれると見ている。
ただ、産業再編を進め、「ビッグ2」体制を築く方が、過当な競争を避け、造船会社の収益性が高まるとする見方もある。
ハンファグループは9月26日、大宇造船と2兆ウォン規模の第3者割当有償増資に参加し、持分49.3%を取得するとした投資合意書(MOU)を締結した。
韓国産業銀行は投資家参加拡大をはかるため、「ストーキングホース(当て馬)」方式で、競争入札を進める。ストーキングホースとは、事前に買収予定者を決めた後、さらに有利な条件を提示する企業を募る公開入札のやり方だ。競争入札が成立しなければ、ハンファグループに優先買収権が与えられる。
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