2025 年 6月 12日 (木)
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廃プラスチックから金を回収…韓国の研究チーム、ヒドラジン溶液による「環境に優しい新技術」

PVC類廃プラスチック吸着剤処理過程(c)KOREA WAVE

韓国研究財団は9日、高麗大学のイ・ジョンヒョン教授とウォン・ワンヨン教授の研究チームが、ポリ塩化ビニル(PVC)系の廃プラスチックをヒドラジン溶液に浸す方法で吸着剤を作成し、廃水中の金やパラジウム、プラチナといった有価金属の回収に成功したと発表した。

PVCは熱可塑性プラスチックであり、建設、包装、電気・電子などの産業分野で広く使用されている。

高麗大学のシン・スンス博士(第一著者、化学工学・生命工学専攻)は「溶液に浸すだけの簡単な工程で吸着剤を作ることができる。技術の核心は、PVC系廃プラスチックの不純物を除去して多孔質構造を形成した後、有価金属を選択的に吸着する役割を果たす『ヒドラジン官能基』だ」と説明した。

ヒドラジンは無色可燃性液体。今回の研究では金属原子を生成する還元剤として使用された。官能基は分子内で特定の化学反応を担う部分。

研究チームは「実際の廃コンピューターおよび廃触媒の浸出液に適用した結果、さまざまな金属が混在した環境でも有価金属だけを選択的に吸着する性能を確認した」と明らかにした。

研究チームはまた商用化に関して「実際の廃プラスチックにはPVC以外にもさまざまなプラスチックが混ざっているため、PVCを選択的に回収できる技術開発とスケールアップおよび工程構築の研究が先行する必要がある」と補足した。

イ・ジョンヒョン教授は「廃棄資源である廃プラスチックから金などを回収する簡単かつ環境に優しい方法だ。今後はさまざまな種類の廃プラスチックや天然高分子を活用して高付加価値素材の開発を目指す」と語った。

(c)KOREA WAVE

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