
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は2025年8月28日、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が27日、朝鮮人民軍総参謀部直轄の特殊作戦訓練基地を訪問し、狙撃兵部隊および特殊作戦部隊の訓練状況を確認したと報じた。
公開された写真には、迷彩効果の高い「ギリースーツ」と呼ばれる全身緑色の網状カモフラージュ服を身につけた狙撃兵たちが、森林に潜みながら訓練する様子が収められている。兵士たちは顔に迷彩クリームを塗り、地面に伏せて射撃する者、木の上で構える者、木陰に身を潜める者など、実戦さながらの行動を取っていた。
キム総書記は、狙撃兵たちの訓練を受ける姿を間近に確認し、「我々の国防科学院が独自設計・開発した新型狙撃銃の高精度・長距離射撃性能と優位性」を評価した上で、「特殊作戦能力および専門化された狙撃兵能力を大幅に強化することが、わが軍事力建設において重要な課題である」と強調した。
また、「総参謀部直轄の中央狙撃兵養成所の設立」について、朝鮮労働党中央軍事委員会で検討する方針を示し、国防省に対しては、今年から狙撃兵部隊に支給する迷彩服を任務地域の地理的・季節的条件に合わせて質的に生産するよう指示した。
北朝鮮がこのタイミングで狙撃兵部隊の強化に注力している背景には、2024年のロシア派兵の影響があるとみられる。北朝鮮は2024年10月以降、ウクライナ戦線の平原地帯でドローン攻撃などに苦戦していたとの分析があり、それを教訓に現代戦への対応力を高めようとしていると見られる。
また今回、北朝鮮国防省が自国開発とする新型狙撃銃を誇示したことについても、ロシアとの技術協力の成果をアピールし、今後の武器輸出や追加派兵による外貨獲得の布石とする狙いがあるとの見方も出ている。北朝鮮が軍事技術と人材輸出を結び付けた戦略を強化する兆候といえる。
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