
韓国で年収6000万ウォン(約660万円)を提示しても、銀行に入社しない若者たちが増えている。大手銀行の新卒採用に合格しながらも、最終的に入社を辞退する“高スペック就活生”が相次ぎ、銀行業界が頭を抱えている。
金融業界関係者によると、ある市中銀行では昨年下半期の一般職採用130人のうち、研修を終えて実際に配属されたのは半数程度にとどまった。入社を見込んで人員計画を立てても、辞退者が続出し、採用目標すら満たせない状況が続いている。
銀行といえば新卒の初任給が最も高い業界の一つで、4大市中銀行の初年度年収は各種手当を含め6000万~6500万ウォンに達する。しかしそれでも若者にとっての魅力は薄れつつあるようだ。
辞退した合格者の多くは、大手企業やIT企業を選択していることが分かった。“スペックの高い就活生”たちには、銀行以外の選択肢が豊富にあるということだ。
特に近年の若者は、「安定」よりも自由な勤務環境や柔軟な働き方、会社の成長ビジョンや企業文化を重視する傾向がある。各種就職情報サイトに寄せられた銀行への評価を見ると、「給与」や「福利厚生」「ワークライフバランス(WLB)」の面では高評価だが、「組織文化」や「将来性」に関するコメントは概して否定的なものが多い。
2025年上半期、4大銀行の採用予定人数は▽KB国民銀行110人(前年より+10人)▽新韓銀行90人(-10人)▽ハナ銀行150人(前年と同数)▽ウリィ銀行190人(+10人)――と前年と大きな変化はない。一方、NH農協銀行は上半期の採用計画を立てていない。
ある銀行関係者は、「合格しても入社しないケースは最近増えているが、これが一時的な現象なのか、トレンドなのかはまだ判断できない」としつつ、「銀行は依然として高スペックの応募者が多いが、彼らが同時に他社にも合格しているため、最終的な入社者が減っているのだろう」と語った。
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