
北朝鮮が2025年初めから一部住民に自家用車の所有を認め、個人所有車にのみ付けられる「黄色ナンバー」の車両が平壌で急増している。これは北朝鮮の民間所有政策に変化が生じていることを示す初の具体的兆候といえる。
シンガポールの写真家アラム・パン氏は、自身のインスタグラムで「2013年から北朝鮮を訪れてきたが、これまでに見た黄色ナンバーは6台にすぎなかった。ところが今回の平壌訪問では100台以上を目にした」と報告した。パン氏は10月、朝鮮労働党創建80周年記念行事の取材のため平壌を訪問していた。
北朝鮮で黄色ナンバーは、個人が所有する自家用車にのみ付けられるとされる。パン氏によると「黄色ナンバーの番号は2001番から始まり、今回確認した最大番号は5858番だった。少なくとも3858台以上の個人所有車が存在することを意味する」と分析した。
北朝鮮事情に詳しい消息筋によれば、北朝鮮当局は2025年初頭から自家用車の個人所有を本格的に解禁したという。韓国統一省も「そのような動向を注視している」として、関連情報を把握していることを明らかにしていた。現地映像で確認されたのは今回が初めて。
韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は現在、平壌の文明化・近代化に力を注いでおり、自家用車の所有容認はその一環だ」と指摘した。
キム総書記は2024年4月、「第8回党大会が提示した首都建設5カ年計画の次の段階目標を達成し、平壌を強国・(北)朝鮮にふさわしい世界的な文明都市へと変貌させる」との目標を掲げていた。
イム教授は「一定の範囲で住民に携帯電話や自家用車といった基本的な私有財産を認めれば、国内の消費を刺激できるうえ、住民の生活水準が向上しているかのように内外に誇示することもできる。政権にとって政治的にも経済的にも利点がある」と分析している。
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