韓国大統領選挙が2カ月後に迫るなか、選挙戦の構図が、与党「共に民主党」イ・ジェミョン(李在明)氏と保守系野党「国民の力」ユン・ソンヨル(尹錫悦)氏による「2強」から、中道野党「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)代表も加えた「3者」に再編され、野党の一本化への関心が高まっている。
候補多数の構図では、イ・ジェミョン氏が優位だが、野党一本化の場合、その候補がイ氏をリードするという世論調査の結果が出ており、一本化の動きが今後の変数になる。ユン、アン両氏とも一本化の可能性を一蹴しているものの、与党側は神経を尖らせている。
韓国社会世論研究所(KSOI)が7~8日に実施した世論調査で各候補の支持率はイ氏37.6%、ユン氏35.2%、アン氏15.1%などとなっている。前週と比較すると、イ氏は3.4%、ユン氏は1.9%とそれぞれ下落し 一方、アン氏はプラス5.9%で2ケタに乗せた。
特に、アン氏の上昇傾向が注目される。昨年12月16~17日の調査と比較すると、アン氏はプラス10.5%、イ氏とユン氏はそれぞれマイナス2.7%、マイナス2.2%だった。
世論調査会社サザンポストの調査では、ユン氏に一本化されれば、ユン氏34.4%、イ氏33.6%となり、ユン氏が0.8ポイント優位だ。アン氏で一本化されれば、アン氏42.3%、イ氏28.9%となり13.4ポイントのリードとなる。
ただ、いまの構図で選挙戦が進めば、野党勝利は難しいという相場観があり、支持層は一本化への圧力を強めるとみられる。一方で、ユン、アン両氏が一本化への言及を避けていることにより、両氏の神経戦が既に始まっているという見方もある。先に「一本化」に言及した側が支持層には「弱い候補」と映る可能性があり、無関心を装っているというわけだ。まずは両氏とも、自らの支持率アップに集中するものとみられる。
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