韓国警察はユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領官邸前の道路を占拠し、座り込みをしていた一部のユーチューバーや保守団体のメンバーに対する強制解散手続きに着手し、約15分で完了した。また、近隣では弾劾賛成集会に乱入した大統領支持者が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。
警察は2日午後4時51分ごろ、大統領官邸前で弾劾反対を訴え集会を開いていた保守団体メンバーら約30人に対する強制解散手続きを完了した。解散対象となったのは、ソウル市の漢南(ハンナム)小学校近くの官邸へと続く路地をふさいでいたユーチューバーや保守団体のメンバーら。警察は道路に横たわった参加者を一人ずつ引きずり出し、保守団体メンバーからの激しい抗議を受けながらも、約15分で解散手続きを終えた。
警察は午後2時24分から集会参加者に対し、「違法に道路を占拠している。集会を続ければ解散手続きを実施し、強制移動措置を取る」として集会の中止を求めたが、参加者はその場を離れず、集会を継続した。
参加者らはスクラムを組み、地面に横たわって抵抗した。これを受け、警察は午後3時4分と3時14分にそれぞれ強制解散命令を出した。しかしこれにも応じなかったため、警察は午後3時24分に3回目の解散命令を宣言した。
参加者の中にはキム・ヨンヒョン(金龍顕)前国防相の弁護人であるイ・ハサン弁護士も含まれていた。イ・ハサン弁護士は「強制解散時の参加者に対する行為は職権乱用による暴行に該当する」と主張した。午後3時43分、同弁護士に対する強制移動措置が取られた。
その後も参加者が解散命令に応じなかったため、警察は午後4時1分に4回目、4時17分に5回目の解散命令を発令した。
集会及び示威に関する法律(集示法)と施行令によれば、警察が集会または示威を解散させる場合、主催者に集会または示威の終了宣言を求めなければならない。終了宣言に従わない場合や終了宣言後も集会・示威が継続される場合、警察は直接的に参加者に自主解散を求めることができる。
特に、参加者が解散命令に3回以上従わない場合、警察は直接的(強制的)な解散措置を取ることができる。最終的に、5回の解散命令にも従わなかったため、警察は午後4時36分に強制解散に着手した。
同日午後4時ごろ、漢江鎮(ハンガンジン)駅2番出口前で開かれた弾劾・逮捕賛成集会では、ユン大統領の支持者が乱入し、騒動を引き起こした末に逮捕される事態も発生した。
支持者の男性は、市民権力直接行動が主催した「逮捕テント」記者会見に乱入した。警察が何度も制止を試みたものの衝突が起き、最終的にこの男性は公務執行妨害の疑いで逮捕された。
午後4時10分時点で、保守団体が開いた集会には約1万人(警察非公式推定)の参加者が集まった。彼らは警察の解散命令にも応じず、夜遅くまで集会を続ける意向を示している。
ユン大統領に対する逮捕状が早ければこの日に執行される可能性があるとの見方が広がり、大統領官邸前には多くの市民が集まった。
高位公職者犯罪捜査処(公捜処)がユン大統領の逮捕状を有効期間内(6日まで)に執行すると明らかにしたことを受け、弾劾反対の市民らは官邸への車両進入を阻止するために座り込みを続けている。
大統領官邸に向かう正門前の警備体制も強化され、2日前まで1列だったポリスラインが3列に増設されるなど、警備が一段と厳しくなっている。
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