韓国憲政史上初めて現職大統領への出国禁止措置と逮捕状執行が試みられたが、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領はこれに対抗し、執行は失敗に終わった。この事態を受け、オンライン上ではパク・クネ(朴槿恵)元大統領を引き合いに出した風刺や嘲笑が広がっている。
複数のオンラインコミュニティに最近、「ただ拒否すればよかったのか」と題した投稿が拡散した。この投稿には、パク・クネ氏が涙を流す写真が添えられ、「もっと早く教えてくれよ」という皮肉めいた一言が加えられていた。
ネットユーザーは、逮捕状執行を「耐えること」で阻止したユン大統領を批判しつつ、パク・クネ氏が逮捕状執行に応じたことと比較している。「パク・クネ氏や(パク・クネ氏の事件に関わった)チェ・スンシル氏の再評価が必要かもしれない」「パク・クネ氏が優れて見えるとは思わなかった」「抵抗すればよかったのに、なぜ刑務所に行ったのか」といった声が挙がっている。
パク・クネ氏は国政介入事件で大統領を罷免される前、検察の調査や憲法裁判所への出廷を拒否していたが、最終的には憲法裁判所での弾劾決定後、裁判所の逮捕状執行には応じた。パク・クネ氏以外にも、ノ・テウ(盧泰愚)、チョン・ドゥファン(全斗煥)、イ・ミョンバク(李明博)といった歴代大統領も退任後に逮捕され、逮捕状執行には抵抗していない。
これに対し、ユン大統領は今回の逮捕状執行を「違法かつ無効」と主張し、公職者犯罪捜査処(公捜処)に対して「法に基づく業務の遂行」を求める強硬な立場を示している。
今回の事件を風刺するインターネットミーム(流行画像やコンテンツ)も注目を集めている。「パク・クネ氏とユン大統領が向かい合って座り、パク・クネ氏が『私も(戒厳令は)考えただけ』と言っている」画像や、「パク・クネ氏がユン大統領に『あそこがソウル拘置所です』と教える」場面を描いた風刺画像などが広がり、ネット上の笑いを誘った。
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