2024 年 12月 27日 (金)
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尹大統領の対北朝鮮「大胆な構想」とは (上)

15日、ソウルで開かれた「光復節」の式典で演説する韓国のユン・ソンニョル大統領(大統領室提供)©news1

韓国大統領室は15日、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が光復節(日本の植民地支配からの解放記念日)77周年の祝辞で言及した「大胆な構想」を「果敢かつ包括的な構想」と規定し、「朝鮮半島資源・食糧交換プログラム」と、北朝鮮民生改善モデル事業を非核化交渉の初期段階から実行すると明らかにした。

キム・テヒョ(金泰孝)国家安保室第1次長によると、「大胆な構想」ビジョンは、南北が経済・軍事・政治の3分野における初歩的な協力の議論・実践・深化過程で、北朝鮮の非核化プロセスも同時に合意し、実践されるというもの。キム次長が「大胆な構想」を「果敢かつ包括的」と表現したのは、対北朝鮮支援措置の開始時点、そして支援分野と関連がある。

◇資源・食糧交換プログラム・国連制裁解除を議論しながら核交渉

「大胆な構想」の最大の特徴は、北朝鮮に対する経済支援を、実質的な非核化が進む前であれ開始することにある。キム次長は「北朝鮮が本気度を持って非核化交渉に応じる場合、初期交渉プロセスから経済支置を積極的に講じるという点で果敢な提案」と解説した。

この時の経済支援には「朝鮮半島資源・食料交換プログラム」と「北朝鮮民生改善モデル事業」が含まれる。

同プログラムは、北朝鮮にあるレアアースなどの地下資源を韓国や国際社会が活用する代わり、食糧と生活必需品を北朝鮮に支援する仕組みで、今回初めて公表された用語だ。

15日午後、龍山大統領室でブリーフィングをするキム・テヒョ(金泰孝)国家安保室第1次長©news1

北朝鮮民生改善モデル事業は、保健医療と飲料水、衛生山林分野を支援するものだ。

大統領室関係者は「現在、国連安保理決議が北朝鮮鉱物を外部に搬出できないようにしている。必要に応じて、決議の部分的免除も国際社会とともに協議していく考え」と明らかにした。こうした案を米国と議論しており、「米国は安保理決議について当事国と心を開いて議論する意向」という。

同関係者は記者団に対し、「過去30年間、すべての核交渉は(非核化と支援の)プロセスのどちらを先に履行するのかを話し合って終わっていた。イ・ミョンバク(李明博)政権の『非核・開放・3000』は、北朝鮮が実際に核廃棄を履行した場合に経済支援をすると規定していた。この点で『大胆な構想』は違う」と指摘した。

キム次長は、北朝鮮と包括的な核合意に至れば、非核化の進行プロセスに相応する南北経済協力を実践するとも述べた。その際は「南北共同経済発展委員会」を設立し、北朝鮮が核凍結・申告・査察・廃棄する段階に合わせて経済協力を増大する計画だ。

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