韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は15日、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察が逮捕状を執行する過程で「流血事態」を懸念し、「自分が早いうちに出頭する」との立場を与党「国民の力」の議員に伝えたことがわかった。ユン大統領は逮捕状執行前に与党議員と面談したという。
ユン・サンヒョン議員は15日午前、京畿道果川市にある公捜処庁舎で記者団に対し、「ユン大統領が令状執行に応じた理由」について「流血事態を懸念してのこと」と述べた。ユン議員は「若い人たちではないか。自分の子どものような若い公務員たちが、もしも令状執行の過程で不測の事態が起きたらどうするのか、これを非常に心配されていた。『自分が早いうちに出頭する』とおっしゃった」と語った。
ユン議員は「大統領はすべてを覚悟されていた。これまで連続して弾劾を経験してきたではないか。『監査院長まで弾劾されるのを見て、自分が残り2年半の任期を続けることに何の意味があるのか』と決意されたようだ。おそらく捜査段階では何も言わず、裁判や弾劾の過程で発言されるだろう」と述べた。
令状執行過程で警護処が阻止しなかった理由について、ユン議員は「大統領が最もそれ(流血事態)を懸念されていたため」と説明した。また「とにかく本人は心の準備をされていた。どのみち出頭するつもりだったということ」と語った。
クォン・ヨンジン議員は国会で記者団に対し「大統領はとても疲れているように見えた。『眠れなかった』とおっしゃっていた」と伝えた。ユン大統領が決断した時期について「昨晩」としながらも「大統領は自身がいつ決断したとは言わなかったが、公捜処が約1000人の首都圏警察を動員していると考えれば、それを防ごうとすれば流血衝突は避けられないと考えられたのではないか」と推測した。
そのうえで「『それなら自分が大統領としてそれを防がなければならない。それほどの事態に至らせるわけにはいかない。それなら自分が行くべきだ』と思われたのだろう。そして『昨晩はほとんど眠れなかった』とおっしゃった」と語った。
(c)NEWSIS