韓国の家電量販店「ビッグ2」に挙げられるロッテハイマート、電子ランドが家電販売に集中していた事業モデルを食品・ファッションなど非家電製品に拡大している。電子商取引業者間の競争が激しくなり、オンラインモールで家電だけを販売していても売り上げを上げることができないためだ。
◇非専門製品の拡大構想
電子ランドは最近、果物・健康機能食品・ファッション・ビューティー・ブランド品などにも販売カテゴリーを拡大している。オンラインモールの消費者流入誘導を狙ったものだ
電子ランドでは家電製品は100%直接買い入れて販売するが、非家電製品はこれとは異なり、入店販売者から販売手数料を受け取る方式で流通される。
電子ランドの電子商取引事業は創業者ホン・ボンチョル会長の息子ホン・ウォンピョ氏(SYSリテールオンライン事業部門長)が主導している。昨年下半期から事業目的に畜産物、健康機能食品、化粧品などを追加し、非専門製品の拡大を構想してきたという。
同社関係者は「上半期の非家電製品の購買件数が前年に比べ30%増えた。家電だけでなくビューティー・食品・生活用品などを販売する『生活密着型総合モール』への飛躍を目指している」と話している。
◇ゴルフに着目
ロッテハイマートも家電製品だけを販売するバーティカルプラットフォーム(特定品目に特化したサービス)から、家具・レジャーや食品を販売する「総合モール」形態に変化している。
特に力を入れるのがゴルフだ。成長するゴルフ市場に合わせて、ゴルフウェアなどの商品規模を昨年より40%ほど増やした。ゴルフ用品を買う消費者は増えている。ロッテハイマートの関係者は「1月と7月のゴルフカテゴリーの売り上げは昨年同期比で35%増加した」と説明する。
◇オンラインに突破口
ロッテハイマートと電子ランドの事業多角化は、家電量販店市場の低迷が続く中、脱出口を模索しようとするものだ。一般のオンラインショッピングモールが大型家電販売を強化した点も、事業多角化を後押しした。
韓国最大の電子商取引「クーパン(Coupang)」や生鮮食品の通販サイト「マーケットカーリー(Market Kurly)」など、電子商取引業者が早い配送を武器に販売から設置までワンストップサービスを展開しているため、既存の事業だけでは家電量販店の生き残りが難しい環境になったためだ。
新型コロナの拡散でオフラインショッピングの代わりにオンラインで商品を購入する顧客が増えた点はチャンスだ。オンラインモールからの消費者流入が増えれば、自社モールの売り上げを引き上げる起爆剤になりうる。
実際、家電量販店は非家電商品はオンライン専用で販売、オフライン売り場では以前のように電子製品だけを販売している。家電量販店関係者は「家電製品だけを販売するという枠組みを離れ、多様な製品を販売しながら集客効果を狙う」と強調している。
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