2025 年 6月 17日 (火)
ホーム政治家族にまで及ぶテロ脅迫…韓国・問われる「過激な政治嫌悪・暴力」への対応策

家族にまで及ぶテロ脅迫…韓国・問われる「過激な政治嫌悪・暴力」への対応策

ドローン妨害装置を持ち、警備勤務にあたる警察特攻隊員=写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1

弾劾政局と大統領選を経て、韓国で政治への嫌悪が噴出するなか、政治家本人だけでなく家族にまで身の危険を及ぼす脅迫が横行している。オンライン上では極端な暴力的傾向が社会不安をあおっている。警察はこの事態に対し、厳正な捜査と処罰で臨む方針を明らかにしている。

ソウル城北警察署は、イ・ジェミョン(李在明)大統領の長男イ・ドンホ氏の結婚式を狙ったテロ予告文をSNSに投稿した50代男を11日、「公衆脅迫」の容疑で逮捕し、取り調べている。

男は警察の調べに対し、容疑をすべて認め、「実際に実行する意思はなかった」と供述している。しかし警察は「実行意思の有無にかかわらず、脅迫的な投稿自体が明白な犯罪行為であり、警察は最後まで追跡し、厳正に対処する」と強調した。

長男の結婚は、SNSを通じてモバイル招待状が拡散され、知られるようになった。政治関係者によると、14日の結婚式には家族と親しい知人のみが招待され、祝い花も受け取らなかったという。

とはいえ、式の日程がすでに公に知られているため、会場周辺では一部の過激な支持者や反対派による集会や突発的な行動が懸念され、警察は警護と警備に備える構えを見せていた。

最近では、政治家が関与する事件を担当する判事や裁判官への脅迫文により、警察が捜査に乗り出す事例も続いている。韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領(当時)の弾劾審理に加わったチョン・ゲソン憲法裁判官の自宅住所がオンラインコミュニティで拡散された際には、子どもの人数が言及され、「家庭訪問確定」などと直接訪問をほのめかす投稿が上がった。

また、イ・ジェミョン大統領の公職選挙法違反事件で大法院(最高裁)が有罪の趣旨で差し戻し判決を下した先月1日には、「判事たちを射殺すべきか」といった投稿がSNSに掲載され、警察が投稿者の追跡に乗り出した。

政治家への身辺脅迫は以前からあったが、最近では家族にまで対象が広がっており、行き過ぎた政治嫌悪と、それに伴うテロの懸念が一層高まっている。特に、不特定多数が集まる慶弔行事を狙った点は、政治嫌悪が“無差別犯罪”へと発展しかねない兆候を示している。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular