
韓国の高所得層の宝くじ支出が2025年1〜3月期、前年より20%以上増加した。一方、低所得層では約20%減少している。従来は低所得層が宝くじを多く購入すると考えられてきたが、むしろ高所得層が積極的に購入しているという実態が明らかになった。
韓国統計庁のマイクロデータによると、今年第1四半期の宝くじ購入世帯の平均支出額は7683ウォンで、前年(7320ウォン)に比べ4.9%増加した。また、宝くじを購入した世帯の割合も10.7%と、前年同期(10.1%)より0.6ポイント上昇した。
所得階層別では、中間層(上位40〜60%)の宝くじ購入額が9589ウォンで最も多く、次いで高所得層(上位20%)の9208ウォンだった。その後は所得下位20〜40%層(7140ウォン)、所得上位20〜40%層(6704ウォン)、そして低所得層(下位20%)が4252ウォンとなった。
前年度との比較では、所得上位20%層で20%、 所得上位20〜40%層で13.5%、所得中位層(40〜60%)で9.4%の支出増加となり、所得が高いほど宝くじ支出が大きくなっていた。一方、所得下位20%層は22.2%、所得下位20〜40%層は7.9%それぞれ減少しており、生活に余裕のない層では宝くじさえも買えない実情がうかがえる。
宝くじは一般的に「不況型商品」とされ、景気が悪い時に特に低所得層に人気が集まる傾向があるとされてきたが、今回のデータはその通念に反している。専門家は、高所得層の宝くじ購入が増えた背景に、将来への不安や住宅価格の高騰など、経済的な閉塞感が影響していると分析する。
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