2025 年 2月 4日 (火)
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存続の岐路に立つ韓国大統領警護処 [韓国記者コラム]

1月15日午前、警護処の防御線を突破して大統領官邸に向かう捜査関係者(c)news1

61年の歴史を持つ韓国大統領警護処が、「非常戒厳」宣布に巻き込まれ、存続の危機に直面している。政権によってその地位や権限が変化することはあったが、今回の事態では組織の廃止まで議論される状況に追い込まれた。

「共に民主党」など野党は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の逮捕状執行を妨害した警護処を「私兵化された組織」と批判し、警護処の廃止法案を提出した。

この法案は、独立機関である警護処を警察の下部機関である「警護局」に再編する内容を含んでいる。軍事政権時代、警護処(当時は「警護室」)は「権力のNo.2」とも呼ばれ、大統領の最側近が指揮するケースが多かった。このため、警護処の権限を縮小し、私兵化を防ぐ狙いがあるとみられる。

しかし、大統領の警護は安定した国政運営のために不可欠であり、警護処の存廃は慎重に検討すべき問題だ。警護処が61年間培ってきた専門性は無視できない要素であり、ミスの許されない大統領警護の分野において、専門性以上に優先されるべきものはない。

安倍晋三元首相やトランプ前米大統領(肩書きはいずれも事件当時)の銃撃事件が示すように、警護の小さな隙が国家的混乱を招くことがある。日本や米国では、大統領・首相の警護機関がそれぞれ警察や政府機関の下に置かれているが、警護の失敗は組織の所属先とは無関係に発生している。

今回、警護処の私兵化が指摘されたのは、ユン大統領に対する逮捕状執行を拒否したためだ。警護処は非常戒厳に関連し、裁判所が発行したすべての逮捕状に応じなかった。

さらに、大統領の機密通信記録を押収するための捜査当局の家宅捜索にも応じず、ユン大統領の逮捕状執行を「違法」と規定した。これまでも捜査機関が青瓦台(大統領府)への家宅捜索を試みた際、任意提出の形で資料を受け取るのが通例だったが、内乱罪に関する捜査はこれまでの犯罪とは性質が異なるため、今後は法改正による対応が求められる。

警護処が私兵という汚名を返上するには、自らの改革努力が不可欠だ。

2023年、警護処が創設60周年の記念行事をユン大統領の誕生日パーティーのような形で開催したとの疑惑が浮上し、私兵化批判がさらに強まった。この行事には警護処の職員のみならず、軍や警察の警護部隊まで動員され、ユン大統領を称賛する「ユン・ソンニョル頌歌」が歌われたとされる。この出来事は、組織内でも自嘲的な声を生むほどだった。

本来、警護処は上下関係が厳格で閉鎖的な組織であり、その文化は大統領警護の絶対的な安全確保のために必要とされてきた。だが、組織文化が不合理な指示を強制する手段として利用されるべきではない。

「50周年記念行事の際も同じようなものだった」という釈明は、警護処の「永遠の名誉」というスローガンを自ら傷つけるだけにすぎない。警護処が存続するためには、徹底的な改革と透明性の確保が不可欠だ。【news1 チョン・ジヒョン記者】

(c)news1

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