2025 年 8月 7日 (木)
ホーム社会子どもを制御できない親は「常識なし」…韓国社会に広がる“ノーキッズ”の空気感

子どもを制御できない親は「常識なし」…韓国社会に広がる“ノーキッズ”の空気感

2022年5月4日、「ノーキッズゾーン反対、差別禁止法に賛成」と書かれたメッセージに色を塗る子どもたち(c)NEWSIS

韓国人10人のうち7人以上が、社会の認識として、公共の場で養育者が子どもを制御できなければ「常識がない」と考えていることが分かった。3人に1人は、韓国社会の通念上、公共の場に子どもがいると不快感を覚えると見ている。

養育者の40%は、公共の場で子どもの制御がうまくいかなかった経験があり、30%は飲食店やカフェに行く際に子どもを連れていたことで不快な思いをしたことがあると答えた。子どもと一緒に飲食店など公共の場へ行く際、「ノーキッズゾーン(子ども立入禁止区域)」を確認する親も70%にのぼった。

8月3日に育児政策研究所が発刊した「育児政策フォーラム」に掲載された「公共の場における子どもへの社会的排除の実態と対応課題」という報告書によると、国民の94.5%が、乳幼児が大声で泣き出したり、すぐに泣き止まなかったりする状況を受け入れられると答えた。

この報告書は、国民1200人を対象に、乳幼児の特性に対する受容度、社会的包摂に関する認識、差別に対する認識、公共の場での子どもの排除経験および社会的対応を調査した。また、小学生以下の子どもを持つ446人には、公共の場での同伴時の排除経験や困難についても尋ねた。

その結果、回答者の74.8%が「韓国社会の認識として、公共の場で養育者が子どもを制御できなければ常識がないと見なされる」(「そう思う」+「非常にそう思う」)と答えた。また、自分自身もそう思うと答えたのは62.6%だった。

回答者の33.7%は、韓国社会が「公共の場に子どもがいると不快に感じる」と考えているが、自分自身がそう感じると答えたのは10.3%にとどまった。つまり、公共の場における子どもや養育者に対して、自身の考えよりも韓国社会の雰囲気をより否定的に認識していることを意味する。

直近1年以内に公共の場で幼い子どもによって不快な経験をしたと答えた割合は、飲食店が50.5%、カフェが24.3%、マートが23.9%、公共交通機関が22.9%、映画館が15.6%の順だった。

小学生以下の子どもを持つ養育者の40.6%は「公共の場で子どもの特性や気質によって制御がうまくいかない場合がある」と答えた。30.3%は「育児による抑うつ感や養育ストレスのために公共の場で子どもを適切に制御するのが大変な場合がある」と述べた。

養育者の30.5%は、直近1年以内にカフェで小学生以下の子どもを同伴したことで不快な経験をしたことがあり、30.0%は飲食店で同様の経験をしていた。34.1%は、飲食店などで出入りや利用が制限されたり、子どもを連れて行ったら不快な思いをするのではと懸念し、訪問を断念した経験があると答えた。続いてカフェ(32.1%)、映画館(23.3%)、図書館(19.3%)、公共交通機関(16.4%)の順だった。

また、養育者の47.1%は場所に応じて「ノーキッズゾーン」を確認していた。23.1%は公共の場を利用するたびにほとんど確認していたことが分かった。養育者の70.2%が公共の場を利用する際、出入りが禁止されていたり利用に制約があったりするかを事前に確認しているということになる。「確認しない」と答えたのは29.8%にとどまった。

養育者の64.3%は「子どもと公共の場にいるとき周囲の目が気になる」と答え、40.8%は「公共の場で子どもが駄々をこねたり走り回ったりするのを懸念して外出を控えたことがある」と述べた。「社会的配慮を受けられなかった経験」や「子どもと一緒にいたことを理由に無視または蔑視された経験」はそれぞれ24.0%、17.5%にのぼった。

(c)NEWSIS

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