韓国で妊婦の約40%が尿失禁を経験していることがわかった。自然分娩が帝王切開よりも発症率が高く、出産回数が多いほど発症率も高くなる傾向が確認された。
仁済大学一山白病院産婦人科のハン・ジョンヨル教授の研究チームが、2023年4月から12月にかけて国内3つの病院で妊婦824人を調査した結果、40.2%(331人)が尿失禁を発症していることが判明した。最も多かった尿失禁のタイプは、運動や咳など身体活動中に無意識に尿が漏れるストレス性尿失禁で、全体の77.1%を占めた。次いで「複合性尿失禁」が16.9%、「緊迫性尿失禁」が6%だった。
分娩方法と回数により、尿失禁の発症率に差が見られた。自然分娩と帝王切開の両方を経験した女性は、7人中6人が尿失禁を経験しており、発症率は85.7%に達した。自然分娩の女性では発症率が62.7%(166人中104人)で、帝王切開(39.7%、151人中60人)を大きく上回った。一方、出産前の妊婦でも32.2%(500人中161人)が尿失禁を経験していた。
さらに、帝王切開と自然分娩を両方経験した女性の尿失禁発症リスクは、妊娠中の女性に比べて2~3倍以上高かった。また、自然分娩の女性は5倍、帝王切開の女性は2倍のリスクが確認された。
出産回数が多いほど尿失禁の発症率も高まった。出産回数が2回以上の女性は53.6%で尿失禁が発生し、1回の女性は52.1%、出産経験のない女性でも32.5%が発症していた。
妊娠期間における発症率は妊娠後期になるほど高く、妊娠14週までは19.3%、14~27週では32.9%、28週以降は54.2%が発症していた。研究チームは、胎児と子宮が成長することで膀胱への圧迫が増し、尿失禁のリスクが高まると分析している。
ハン教授は「尿失禁は妊婦の心理的安定に悪影響を与える可能性があるため、積極的な対応が必要だ」と述べ、症状の早期発見と治療の重要性を訴えた。
(c)MONEYTODAY