
北京で9月3日に開かれる抗日戦争勝利80年記念行事に、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領が揃って登壇する。朝中露首脳が天安門の楼上に肩を並べるのは1959年以来66年ぶりで、冷戦時代を想起させる構図に国際社会の注目が集まっている。
韓国政府関係者によれば、キム総書記は1日午後、専用列車で平壌を出発。遅い速度で運行されるため、2日午前に北京に到着する見通しだ。朝鮮中央通信も異例の速さでこの動きを報じ、随行者としてチェ・ソニ(崔善姬)外相ら党・政府幹部の名を明らかにした。
今回の式典では、習主席を中央に、左にキム総書記、右にプーチン大統領が並ぶ予定だとロシア大統領府が発表している。
1959年の建国10周年閲兵式では、毛沢東主席を中央に、左隣がソ連のフルシチョフ第一書記、右隣がベトナムのホー・チ・ミン主席。キム・イルソン(金日成)主席は毛主席から左へ4番目の位置だった。当時の席次には冷戦期の「戦略的連帯」と外交的象徴性が反映されていたと分析される。
北朝鮮は1950年の朝鮮戦争を機に中国と「血盟関係」を築き、キム・イルソン主席は存命中40回以上訪中した。後継者のキム・ジョンイル(金正日)総書記も2000年から2011年まで8度訪中したが、中国主催の閲兵式や多国間舞台に姿を見せることはなく、「隠遁型指導者」と評された。これに対しキム・ジョンウン総書記は、天安門楼上に姿を現すことで外交的存在感を際立たせる狙いがあるとみられる。
今回の行事を契機に、朝中露の三角連携が一層強化され、「新冷戦」時代の幕開けにつながる可能性も指摘されている。3カ国首脳会談の開催観測も浮上しており、西側諸国との対立構図が鮮明化するかどうか注目される。
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