大韓航空とアシアナ航空の企業合併が9合目を超え、消費者の関心は「合併後、国際線航空券の価格が上がるのか」に集まっている。不確定ながら、複雑な航空券価格体系による引き上げの可能性がある。
国土交通省の資料によると、両社は企業結合時に独占が懸念される路線である北米5路線(ロサンゼルス・ニューヨーク・サンフランシスコ・シアトル・ホノルル)とヨーロッパ4路線(ドイツフランクフルト・スペインバルセロナ・イタリアローマ・フランスパリ)で燃油サーチャージと税金を除くエコノミー席の正規運賃を路線別に往復最低300万ウォン(1ウォン=約0.11円)台から470万ウォン台まで認可された。
認可された運賃は「上限ライン」である。例えば大韓航空は仁川―ニューヨーク路線で今月はエコノミー席で9クラス、49段階に運賃を分けた。正規運賃の最高価格は往復476万9000ウォンで、最低価格は往復140万ウォンだ。このように航空会社はマイレージ積立比率や払い戻し可能かどうかなど条件により等級を分けて価格差をつけており、最高額で航空券を販売するケースは非常に稀である。
正規運賃の上限を引き上げなくても、等級別航空券比率をどのように策定するかによって消費者の体感航空券価格が変わる構造だ。合併後、独占路線になれば、正規運賃に近い高価な航空券の割合を高める方式で、実質的な値上げが可能になる。企業合併承認条件に従って運賃の上限を設定しても値上げの方法がないわけではないという話だ。
もちろん、合併時の是正措置案によって、欧州(ティーウェイ航空)と北米(エアプレミア)の一部路線を引き継ぐ代替航空会社が参入するため、合併がすなわち独占路線の誕生ではない。ただ、合併の実益を考慮すると、アシアナ航空のすべての運輸権を差し出すことは当初から不可能なため、一部路線とスロット(発着枠)を引き継ぐ代替航空会社の路線別競争力が制限され、独占化の懸念がしばらく払拭されない可能性がある。
政府が不適切な値上げの動きに介入する可能性もある。航空事業法第14条「航空運送事業運賃や料金の認可」は、航空事業者が国土交通省の運賃認可を受けるよう規定する。公正取引委員会も2022年企業合併審査で「2019年運賃比物価上昇率以上に引き上げ禁止」と「供給座席数を2019年水準の一定比率未満に縮小禁止」という条件を付けた。
大韓航空が「航空運賃は政府承認を受けなければならない事案なので、一方的に引き上げることはできない」と話すこともこれに基づく。
ただ、国土交通省が運賃を認可することはできるが、販売比率にブレーキをかける法的根拠は弱い。航空事業法第14条は「適正な経費や利潤を含む範囲を超過しない」という但し書きを付けるが、これは上限ラインである正規運賃に限定する。今後、公正取引委員会が、どのような運賃が是正措置を順守したのか、違反したのか明確な先例を残すことが重要な理由だ。
大韓航空は「市場での地位を乱用し人為的に価格を引き上げることはない。国土交通省の運賃モニタリングシステムにも積極的に協力する」と表明している。
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