
大韓航空によるアシアナ航空の買収に伴い、両社の合併による航空路線の独占を解消するため、計10路線においてスロット(発着枠)と運航権を他の航空会社へ移譲する手続きが始まった。対象となるのは、両社の統合によって競争が制限されると判断された国内外の主要路線。
公正取引委員会によると、両社の企業結合を監視する「企業結合履行監督委員会」が20日、この10路線に関する移譲手続きを開始することを決定した。公正取引委員会は2024年12月、両社の企業結合を条件付きで承認し、競争制限の恐れがある34路線について、大韓航空側がスロットおよび運航権を他の航空会社に譲渡するという「構造的是正措置」を課していた。
「スロット」とは、各国の航空当局が航空会社に割り当てる発着時間のこと。航空会社はこの時間帯に空港を使用する権利を持つ。一方「運航権」は、特定国への就航を許可する権利を指す。
すでに移譲手続きが完了しているのは、仁川とロサンゼルス、サンフランシスコ、バルセロナ、フランクフルト、パリ、ローマを結ぶ6路線で、これらは韓国のみならず海外の競争当局からも是正措置が求められていた。
今回新たに手続きが始まる10路線については、今後、公募により代替航空会社が選定され、適格性の審査、国土交通省の航空交通審議会による評価などを経て、スロットと運航権が割り当てられる。選定された航空会社は、早ければ2026年上半期から当該路線の運航を開始する見通し。
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