
韓国政府が家計債務管理の一環として実施する大規模な住宅ローン規制を6月28日に控えた段階で、ソウルのマンション市場は「駆け込み需要」が発生し、取引件数が一日で約60%も急増した。6月27日のソウルのマンション取引件数(実取引登録解除を除く)は212件で、前日の133件から59.4%の増加となった。
この急増は、ローン規制を回避しようとする契約が集中した結果とみられる。規制では、首都圏や規制地域における住宅購入目的の住宅担保貸出(住宅ローン)の上限が6億ウォンに制限され、ローンを受けた場合、6カ月以内の住民登録が義務付けられた。また、初めて住宅を購入する人の住宅ローンに対する担保認定比率(LTV)は従来の80%から70%に引き下げられた。ただ、6月28日以前に契約締結と手付金の支払いを済ませたケースは旧規定が適用される。
特に、取引価格が12億ウォン以上の高額物件が86件と全体の40.5%を占めた。こうした高価格帯の取引は、江南(カンナム)区、江東(カンドン)区、麻浦(マポ)区、陽川(ヤンチョン)区、永登浦(ヨンドゥンポ)区、城東(ソンドン)区などで集中している。
たとえば、江南区狎鴎亭洞(アックジョンドン)の現代2次マンション(専有面積160.28平方メートル、8階)は98億ウォンで取引され、過去最高値を更新。陽川区木洞新市街地2団地(97.92平方メートル、15階)は28億500万ウォン、麻浦区塩里洞(ヨムリドン)の塩里サムスンレミアン(59.76平方メートル、14階)は13億6500万ウォンで取引され、それぞれ最高値となった。
麻浦区内の不動産仲介業者は「ソウルのマンションの平均価格が12億ウォン程度で、6億ウォンのローン上限では中価格帯以上の物件を買うのが難しい。多くの契約者がローン制限を意識して契約を急いだようだ」と述べた。
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