
韓国の大学祭で人気アイドルが出演することを受け、入場制限を回避しようと「学生証」を高額で売買する行為が横行している。学生限定のイベントに外部人が“なりすまし”入場する構図に、大学側も取り締まりを強化している。
SNS「X」などに15日、「学生証を14万ウォンで譲渡します」といった投稿が多数見られた。
あるユーザーは「5月22日、崇実大学にNCT(韓流ボーイズグループ)が来る。学生証14万ウォン(約1万4000円)で譲ります」と投稿。崇実大の祭りは在学生限定の入場制限があるため、その身分証を他人に売ることで外部ファンがアイドル公演に参加できるようにするというものだ。
投稿には「学籍情報システムにログインも可能」「入場できなければ4万ウォン返金」など、取引を誘う条件まで記されていた。
他にも、ソウル市立大学の女子学生用リストバンドや学生証を譲渡するといった投稿、価格提示を求める書き込みが相次いだ。性別を明記しているのは、入場時の本人確認を意識したためとみられる。
このような現象が起きる背景には、通常のアイドルコンサートチケットより学生証の方が安く入手でき、競争も比較的少ないという点がある。
NCTやTWSなど、人気アイドルの公演が大学祭で開かれることで、ファンは比較的安価に“推し”を観るチャンスだと歓迎する声もある。
「コンサートの一般チケットは定価12万ウォン程度だが、転売されるとそれ以上になる。学生証は高いが、まだ手が届く範囲」と語るのは、学生証を購入した経験があるという23歳。「大学祭はステージ規模こそ小さいが、アイドルのパフォーマンスを近くで観られる貴重な機会」だそうだ。
学生証を譲渡したことがある25歳は「譲ることでお互いに得をすると思う。知人のファンに無料で貸したこともある」と話す。
しかし、参加が制限されたイベントに他人の学生証で入場することは、法的な問題に発展する可能性がある。スポーツ・エンタメ法学会のナム・ギヨン会長は「大学祭のように構成員限定のイベントで外部人が身分を偽って入場した場合、業務妨害罪に該当する余地がある」と指摘している。
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