中国大手テクノロジー「アリババグループ」が運営する海外向けの通販サイト「アリエクスプレス(AliExpress)」の韓国商品カテゴリー「K-venue」に、韓国メーカーが入店しているのに、その事実を伏せる“隠れアリ”の雰囲気が広がっている。中国のeコマースプラットフォームに対する否定的な世論を意識するとともに、従来の取引先である韓国eコマース企業の顔色をうかがっているようだ。
「K-venue」にはLG生活健康、アモーレパシフィックなど生活用品メーカーとともに、国内最大の食品製造企業であるCJ第一製糖、ロッテ七星(チルソン)飲料が公式的に入店している。
加えて「K-venue」は、農心(ノンシム)、オットゥギなどのラーメン、ミネラルウォーター商品も販売している。ただし、これらの業者は「ベンダー社(卸売業者)を通じた販売で、公式的な入店ではない」という立場だ。農心の関係者は「アリへの入店を引き続き議論している。国民の情緒に適うかどうかなどを総合的に考慮している」と話した。
オットゥギの関係者も「ベンダー社で販売するもので、公式的に入店したわけではない。現在入店を検討中」と明らかにした。
販売はしているものの「直接の販売」ではないため、公式的な入店ではないということだ。ある関係者は「ベンダー社が入店することを防ぐことはできないのではないか」と語った。
eコマース業界では「セラー」として登録すれば、誰でも販売できるオープンマーケットの特性上、ベンダー会社を通じて事実上、販売を開始したとみるべきで、メーカーもこれを認めている。
ただ、業者が公式的に入店事実を明らかにするのをためらう実質的な理由は別にある。
中国のeコマース業者に対する否定的な世論と反感で「様子見をしている」というのがおおかたの分析だ。一部では、従来の取引先であるクーパンをはじめ、国内のeコマース企業を意識したものだという解釈もある。
事実、製造会社としては一つの流通業者に従属するのが不利なため、多くの加入者と話題性を持つ流通業者と取引し、多様な消費者に出会うのが有利な選択だ。
今は世論を考慮しているが、業界は直接販売する方式であれベンダー会社を通じる迂回的な方式であれ、より多くの製造会社がアリに入店するのは時間の問題だと見ている。
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