
たばこと疾病の関連性を争点とする世紀の裁判が、韓国で進められている。国民健康保険公団によるたばこ企業(KT&G・韓国フィリップモリス・BATコリア)に対する損害賠償請求訴訟の控訴審第12回弁論が、今月22日に予定されている。2020年にソウル高裁は一審で「喫煙以外の要因による疾病の発生可能性がある」として、たばこ企業の主張を認めている。今回の判決には国内外からこれまで以上に高い関心が寄せられている。
金融監督院の電子公示システムによると、KT&G・韓国フィリップモリス・BATコリアの3社の売り上げは、2019~2023年の累積で33兆7263億ウォン(約3兆4972億円)、営業利益は7兆1366億ウォン(約7403億円)、営業利益率は21.2%に達する。
この期間、KT&Gの年別売り上げと営業利益は、2019年が売り上げ4兆8077億ウォン、営業利益1兆3747億ウォン、2020年が5兆553億ウォン、1兆4732億ウォン、2021年が5兆2284億ウォン、1兆3384億ウォン、2022年が5兆8514億ウォン、1兆1673億ウォンだ。2019年から2023年にかけてKT&Gの売り上げは上昇を続けており、累積売り上げと営業利益はそれぞれ26兆8054億ウォン、6兆6213億ウォンとなった。特にKT&Gの2023年の年間実績では、たばこ事業が売り上げ全体の61.7%を占め、営業利益率は27.0%に達した。
外資系たばこ企業も韓国で相当な収益を上げている。韓国フィリップモリスの年別売り上げと営業利益は、2019年が売り上げ6831億ウォン、営業利益442億ウォン、2020年が5905億ウォン、618億ウォン、2021年が5653億ウォン、307億ウォン、2022年が6868億ウォン、806億ウォン、2023年が7905億ウォン、1057億ウォンだった。5年間の累積売り上げと営業利益はそれぞれ3兆3162億ウォン、3230億ウォン。
BATコリアの販売売り上げと営業利益は、2019年が5828億ウォン、446億ウォン、2020年が5286億ウォン、508億ウォン、2021年が4722億ウォン、506億ウォン、2022年が5400億ウォン、446億ウォン、2023年が5828億ウォン、327億ウォン。同社の5年間の累積売り上げと営業利益はそれぞれ2兆7064億ウォン、2233億ウォンにのぼる。
たばこに課される各種の租税や負担金は、1箱4500ウォンのたばこにつき約3330ウォン(73%)程度。喫煙者が支払うたばこ代金をまとめてたばこ会社が納付する仕組みで、たばこ会社は1箱当たり800~900ウォンの利益を得ている。この構造により、たばこ会社が喫煙による健康被害に対する責任を負っていないという批判が提起されている。
たばこ価格には国民健康増進基金が含まれており、健康診断費、喫煙および65歳以上の療養給付費、禁煙治療支援事業などに使用されている。国民健康保険公団によると、2023年のこれらのたばこ負担金は1兆8208億ウォンだった。
大韓予防医学会は声明を通じて「韓国では、たばこによる被害について、たばこ会社の責任が認められていない。たばこ会社はたばこという致命的な有害物質について真実を明らかにし、その責任を認め、喫煙被害者の救済・治療・補償のために企業倫理に基づいた責任と義務を果たすべきだ」と述べている。
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