2024 年 11月 25日 (月)
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地下駐車場に巣くう「EV恐怖症」 [KWレポート] 韓国・電気自動車火災1カ月 (中)

ソウルのショッピングモール内のEV充電エリア(c)news1

韓国で最近、政府の「電気自動車(EV)火災安全管理対策」でEVの地下駐車場退出規制が除外された。だがEV所有者らは依然として「EV恐怖症」による不便を強いられている。一部のマンションでは、地下駐車場への立ち入り禁止措置が原因でトラブルが発生しており、車の所有者たちの不満が高まっている。

政府が発表した対策には、ソウル市など一部の地方自治体が推奨した「マンションの地下駐車場へのEVの立ち入り禁止」や「充電量の制限」といった措置は含まれていなかった。

政府は、こうした措置がかえってEVに対する不安感を煽ると判断したようだ。しかし、EVへの懸念が高まる中、いくつかの大型建物では依然としてEVの駐車場への立ち入りを制限している。

マンションでは、EVの駐車を制限するよう要求が続いている。すでに地下駐車場に充電施設を設置している建物やマンションも、火災リスクを理由に多額の費用をかけて地上に移設している。

実際、ソウルのあるマンションでは、EVの地下駐車場への駐車を禁止し、これを違反した場合には罰金を課すという規則を設けたことで、EV所有者の不満を招いている。また、別のマンションではEV専用駐車区画を設定し、これを取り締まるといった厳しい措置を打ち出している。

さらに、別のマンション管理事務所は一歩進んで「EVの購入を控えるよう推奨する」という案内文まで掲げている。

あるEVの所有者は「仁川の火災事故直後に自治体から地上駐車を勧告され、EVに対する否定的な世論が広がった。マンションの地上駐車スペースが不足しているなかで、EVを嫌悪するような感じで制限するのは不当だ」と主張した。

また、別の所有者は「統計的には内燃機関車の火災の確率のほうが高いという。ただ内燃機関車の所有者が多い状況では、仕方なく勧告に従っている。マンション内での駐車禁止は不適切であり、火災予防のための対策を講じることが優先されるべきだ」と指摘した。

業界関係者は「政府はEV購入を促進するために補助金を支給してきたが、最近の火災により、逆にEVの販売が低迷している。EV火災を防ぐための、明確で効果的な対策が策定されなければ、EVへの不安を解消することはできない」とみる。

(c)news1

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