
国際労働機関(ILO)は11月27日、韓国政府に対し、公務員が経済・社会政策に関して意見を公に表明し、労働組合を設立・加入して正当な労働組合活動をする自由を実質的に保障するよう求める勧告案を採択した。
この勧告は、韓国の全国民主労働組合総連盟(民主労総)と全国公務員労働組合(全公労)がILOの結社の自由委員会に提起していた申し立てに基づくもので、ILOの第355次理事会で採択・公開された。
結社の自由委員会はILOの下部機関で、加盟国政府や労使団体から結社の自由に関する申し立てを受けて審議、勧告する役割を担っている。
今回の申し立ては、全公労が2022年11月、組合員を対象に公共政策・労働政策に関する投票をした際、政府がこれを中止させたことや、一部の地方自治体で公務員の労組加入が制限された事例、政府が団体協約に対し是正命令を出した事例などが、ILOの結社の自由に関する条約に違反するものだとして、2024年3月に提起されていた。
勧告では、政府と全公労に対し、組合員の利益に直接関わる経済・社会政策について公務員労組が意見を表明できるよう対話に臨むよう求めた。また、地方自治体の6級チーム長を含む公務員が自ら団体を設立・加入し、正当な労組活動が展開できるようにすることも求めた。
さらに、国の行政権限に直接関わらない公務員には交渉当事者としての自律性を完全に保障し、公務員の雇用条件に関わる政策が労使交渉の対象から除外されないよう措置を講じるよう勧告している。
結社の自由委員会の勧告には法的拘束力はないが、各国の政策・立法・慣行の改善方向を示すガイドラインとしての性格を持つ。今回の申し立てで問題提起された「公務員の政治的自由」や「団体交渉の範囲拡大」については、今後、ILOの「条約・勧告適用専門家委員会」に送付され、継続的に検討される。
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