
韓国で、公共機関の職員が同僚の不正を告発するため、公文書で知り得た個人情報を告発状に記載した行為について、大法院(最高裁)はこのほど「正当行為に当たり、個人情報保護法違反ではない」と判断した。これにより1・2審で有罪とされた判決が覆された。
判決によると、釜山環境公団西部施設事業所に勤務していた元職員は、2021年に同僚が超過勤務手当を不正受給したと考え、警察に告発した。その際、2019年6月に一般健康診断受診者変更に関する公文を閲覧して知った同僚の個人情報を告発状に記載した。
検察は同僚の同意を得ずに個人情報を利用したとして元職員を起訴した。同僚は嫌疑不十分で無罪となったが、1・2審はいずれも元職員に罰金100万ウォンを科した。2審は「本来の目的外で個人情報を利用した明確な意図がある」とし、社会通念上許容されない行為だと判断した。
しかし大法院は原判決を破棄し、釜山地裁に差し戻した。大法院は「誰でも犯罪があると思えば告発できる。元職員は超過勤務手当不正受給の問題があると考え、複数の同僚を告発したもので、同僚に対する告発も同じ趣旨であった」と説明した。
また「告発状に記載された個人情報は公団が元職員を閲覧者に指定した通常の公文閲覧を通じて知り得たものにすぎず、社会通念上許容範囲を超える被害が生じたとはいえない」として、正当行為に該当すると判断した。
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