2024 年 12月 23日 (月)
ホーム政治・社会・経済古紙価格の急落に飢える老人たち…「リヤカーいっぱい積んでも3600ウォン(380円)」

古紙価格の急落に飢える老人たち…「リヤカーいっぱい積んでも3600ウォン(380円)」

  現場ルポ  

ソウル市東大門区のある古物商で古紙を積んだリヤカーの重さを測る女性(c)news1

「以前はリヤカーにいっぱい積むと8000ウォンはもらったけど、最近は一日働いても3600ウォンだ」。今月8日、ソウル東大門(トンデムン)区のある古物商の前で会ったチョン・ジョンヒさんは「古紙価格が下がりすぎて……」と嘆いた。

チョンさんが前日の夜から翌日の午前まで路地を回りながら集めた古紙はなんと約70キロ。背丈を優に超えるほどの分量だ。

しかし、チョンさんが手にしたお金はわずか3600ウォン(約380円)。「これでも、心優しい古物商が多めにくれた」という。「食事を抜く日が多くなった。今日もまだ朝食を食べていない」。チョンさんは力なく語った。

◇高齢貧困層を直撃

古紙価格が急落し、古紙収集で生計を立てている高齢貧困層が直撃を受けている。韓国内外の景気鈍化に当分の間、古紙価格が上がる可能性も低く、彼らの生活苦が長期化する恐れがあるという憂慮が出ている。

ソウル地域の古物商で取引される古紙価格は1キロ当たり40~50ウォン台レベルだ。2月の120ウォンから3分の1に減ったわけだ。

古紙価格が下落した理由は段ボール需要が減少した状況が重なっている。ダンボールは古紙をリサイクルする代表品目で、包装箱などの原料だ。国内外の景気が鈍化し、包装製品の需要が減ると、古紙価格も一緒に下がったものと分析される。

韓国製紙連合会によると、昨年12月51万トンだった国内段ボールの生産量は、今年8月には46万トンに減少した。

業界関係者は「古紙使用量は民間経済成長率と連動する。景気が良くない状況では消費が萎縮し包装製品をこれまでより少なく使うことになり、これに伴い古紙価格が下落する構造」と説明した。

(c)news1

◇お年寄りの貢献度高く

韓国の古紙リサイクルに、収集するお年寄りの貢献度は低くない。韓国老人人材開発院の「古紙収集老人の現況と実態」(今年9月)によると、お年寄りが収集した古紙は1日の古紙リサイクル物量の20.6%を占める。

マンションを除いた一戸建て住宅、アパートに範囲を狭めると、リサイクル率は60.4%に達した。研究院は年平均24万6000トンの古紙がお年寄りの手によってリサイクルされると集計している。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular