高齢者の貧困率が経済協力開発機構(OECD)平均より3倍ほど高い韓国。古紙を拾って生計を立てていた一部の高齢者の懐事情が景気低迷の余波を受けて、さらに難しくなっている。古紙価格が先月、前年比の半分になるなど、古紙回収による収入が大幅に減ったためだ。専門家は貧困高齢者に対する社会的支援を訴える。
廃棄物統計情報を作成・提供する「資源循環情報システム」が発表した「リサイクル可能資源価格調査」によると、首都圏基準の古紙(段ボール)価格は先月、1キログラム当たり85ウォン(1ウォン=約0.1円)で、2021年12月(142ウォン)に比べて40%ほど下落した。
古紙とともに廃鉄の価格も大幅に下落した。2021年12月、1キログラム当たり439ウォンだった廃金属類(鉄スクラップ)は1年後には293ウォンとなり、33.2%下落した。また、廃金属類(鉄缶)も2021年は1キログラム当たり346ウォンだったが、先月は257ウォンで25.7%下落した。
景気低迷で紙の需要が減ると、古紙など価格も下落したようだ。韓国は古紙を中国と東南アジアなどに輸出しているが、景気不況でその量が急減したという。
実際、国内製紙工場の古紙在庫量は昨年10月、14万4000トンに上る。製紙工場の平常時の古紙在庫量が7~8万トン水準であり、2倍近く増えている。これさえも、韓国政府が1万9000トンを全国6カ所の備蓄倉庫に分散して減らした数値だ。昨年末には国内製紙工場の古紙在庫量は20万トンに迫っている。
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