
北朝鮮が「韓国の無人機が再び領空を侵犯した」と主張し、強硬な態度を示している。2024年10月の非常戒厳令発表前にも類似の無人機問題が起きており、南北間の無人機をめぐる緊張が再燃している。
北朝鮮は10日、朝鮮人民軍総参謀部報道官の声明で、1月4日と昨年9月27日に韓国製無人機が北朝鮮領空を侵犯したと発表した。公開された写真では、無人機の残骸や搭載機器、飛行記録が確認できる。
韓国国防省は、該当する日時に韓国軍はその無人機を保有・運用していないと否定し、民間による可能性も含めて政府機関が協力して調査を進める方針を示している。
専門家によると、北朝鮮が公開した無人機の外観や構造は中国製「Skywalker Titan 2160」と一致する。これは市販の安価な機体で、ドローン愛好家の間でも広く知られているモデルだ。
このモデルの機体や飛行制御装置はインターネット通販サイトでも購入可能で、材料費総額は120万~150万ウォン(約13万~17万円)程度。GPS自動航法やカメラ撮影機能を備え、北朝鮮が主張する160km以上の飛行も可能とされる。
ただ、北朝鮮が強調するような「高性能偵察装備」とするには無理がある。搭載されたカメラは高解像度とは言えず、飛行時間も最大で4時間程度。軍用の偵察任務には適さないとされる。
韓国の軍事専門家は「このような市販の低性能ドローンを、軍がリスクを冒してまで偵察任務に用いるとは考えにくい」と指摘する。仮に軍が偵察目的で運用するなら、データ回収にドローン本体の回収が必要な機体を選ぶとは考えづらいからだ。
また、ドローンの運用方式も原始的で、出発前に座標を入力し、遠隔制御なしで自動飛行するだけの仕組み。天候や対象物の移動には対応できず、軍の精密作戦には不向きとされる。
一部では、北朝鮮による「自作自演」の可能性も指摘されている。今回の無人機の外観は、2014年に北朝鮮が韓国に飛ばした無人機と非常に似ており、当時もニコン製カメラを搭載した簡易偵察機が南下していた。
2022年には、北朝鮮の無人機5機が韓国領空を7時間以上飛行した事件も発生。レーダーに映りにくく、夜間は視認困難な小型機体は、非対称戦力として脅威になり得るという。
過去には、韓国の民間ドローン愛好家グループが北朝鮮・金剛山まで飛行した例もあり、今回も民間団体が故意に飛ばしたか、誤って北朝鮮へ越境した可能性もある。
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