韓国でさまざまな業界が自社アプリなどを推進する中で、高齢者が恩恵から取り残されている。
最近、フランチャイズチェーンはアプリやSNSなどを通じてポイント付与や割引イベントを実施している。ある業界関係者は「配達アプリの手数料などが上昇しており、加盟店の収益性を改善し、顧客を確保する意図もある」と説明する。
しかし、デジタルの進化について行きにくい高齢者は取り残されざるを得ない。ソウル中心部のカフェには、アプリで注文すればコーヒーが半額になるというポスターが貼ってあるのに、高齢者は正規価格でコーヒーを買っている。その高齢者はアプリの使用が難しくて注文できなかったという。
また、キオスク(無人注文機)も高齢者のアクセスを難しくする要因となっている。このシステムは今やほとんどのフランチャイズで見られる。銀行のATMなどは高齢者に配慮して文字を大きくし、表現を分かりやすくしているが、そうではない業界も多い。
あるファストフード店にはキオスクが設置されていたが、高齢者はカウンターで店員に直接注文するケースが圧倒的に多かった。高齢者のひとりは「キオスクだけで店員がいない店もある。窓口で注文する際に、店員が面倒くさそうな様子を見せることもあり、萎縮してしまう」と話した。
ホ・ジュンス淑明女子大教授は「スマートフォンや無人販売システムなどのデジタル機器は、高齢者だけでなくすべての利用者にとって不便な面がある。文字が小さく、操作が難しいなど、利用者に配慮していない部分がある。韓国は来年、超高齢化社会入りし、人口の約20%が高齢者となる。企業はもう少し利用者に配慮する必要がある」と指摘する。
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