韓国の翰林(ハンリム)大学聖心(ソンシム)病院が、医療サービスロボットの使用件数5万件を突破したと発表した。同病院は2022年8月から2024年12月までに11種類77台の医療サービスロボットを導入。医薬品配送や検体運搬、病院案内、患者教育など幅広い業務を支援している。
2024年末時点での主な使用件数は、配送ロボットが3万1782件で最多。これに防疫ロボット(1万5010件)、案内ロボット(3234件)、非対面多学制ロボット(672件)などが続く。これらロボットは、各部門での業務効率化と患者満足度向上に貢献している。
薬剤部門は配送ロボット「薬剤ナルミ」を活用し、病棟への迅速かつ正確な医薬品配送を実現。これにより、薬剤師の対面業務が削減され、看護師も薬剤室へ足を運ぶ必要がなくなり、業務効率が向上した。
また、病理検体運搬に特化した「検体ナルミ」も導入され、安全かつ効率的に検体を搬送。これにより診断業務の迅速化が進み、成長が著しい部門となった。
2023年後半の調査では、配送ロボットの利用者である看護師の90%以上が「単純業務が軽減された」と回答し、94%が「今後もロボットを使用したい」と答えた。また、患者に対しては、案内ロボットを通じた非対面サービスで93.9%が「役立った」と評価。ロボットへの抵抗感がないと答えた人は99%に達した。
患者からは「ロボットが正確に道案内してくれて便利」といった好意的な意見も寄せられている。
翰林大学医療院は、ロボット活用をさらに進化させるため、リアルタイム監視や問題対応、プロセス改善を進めている。同病院のキム・ヒョンス病院長は、「これまでのノウハウを活かし、さらに多様なロボットとAIを組み合わせて『インテリジェント病院』を目指す」と語った。
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