2024 年 12月 5日 (木)
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医療廃棄物を病院で効率的に処理…韓国研究チーム、高温・高圧滅菌装置を開発

医療廃棄物の処理装置について説明する韓国機械研究院のハン・バンウ責任研究員=韓国機械研究院(c)KOREA WAVE

韓国機械研究院のハン・バンウ都市環境研究室長の研究チームと、技術開発のベンチャー企業「バイタルズ」の研究チームは13日、医療廃棄物を病院で効率的にすぐ処理できる「医療廃棄物滅菌装置」を開発したと明らかにした。高圧蒸気方式で処理する技術実証は今回が国内で初めて。この装置で1時間に100㎏以上を処理可能だ。忠南(チュンナム)大学病院で実証実験まで終えた。

この装置は、ウイルスやバクテリアなど生物学的有害物質を高温の滅菌技術と高圧蒸気で処理する。高温の蒸気が医療廃棄物の奥深くに浸透できるように医療廃棄物を細かく粉砕し、温度を100度以上に高めて装置内部の滅菌効果を向上させた。

研究チームは、医療廃棄物を138℃で10分または145℃で5分以上処理し、滅菌時間を従来に比べ33%短縮した。

研究チームはまた、国家試験認証機関である韓国産業技術試験院から99.9999%の滅菌性能を確認された。産業通商資源省から新技術(NeT)認証書も受けた。

◇二つの処理方式

医療廃棄物滅菌処理の方式には、大きく電子レンジ方式と熱風乾燥、高温高圧スチーム方式がある。

バイタルズのイ・ジェソン研究所長は「最も一般的には電子レンジ(マイクロウェーブ)方式が多く使われ、製品化もされている。高温高圧スチーム方式としては今回が国内で初めて開発されたものだ」と話した。

また「購入意向書を受け取った9カ所の大型病院と契約協議を進めている。調達庁の優秀調達製品登録とリースやレンタルプログラムを企画するなど、マーケティングにも力を入れている」と述べた。

最も多く使われる電子レンジ方式では、マイクロウェーブで水分を最大100℃まで加熱させて滅菌作業をするが、電磁波による作業員への影響や、金属などが混入している場合には火災などの事故につながりかねないという懸念があった。

◇専用焼却施設13カ所だけ

近年、新型コロナウイルスによるパンデミックを経験し、医療廃棄物が大量に増えたが、現在、韓国にある専用焼却施設は13カ所だけで、病院は専門業者を利用して医療廃棄物を最も近い焼却場に運搬、処理する。済州島などの島では、独自の医療廃棄物焼却場がなく、船舶や飛行機で焼却場まで運ばなければならないため、感染の危険性が高く、廃棄物処理による経費負担も大きかった。

今回開発した技術は、病院で医療廃棄物を直接滅菌処理した後、一般廃棄物に転換させることができる。また、廃棄物の焼却量の減少と輸送距離の短縮を通じてカーボンニュートラルを実現することができ、病院の環境・社会・企業統治を重視した「ESG経営」にも寄与できる。

この装置は忠南大学病院の実証過程で大きさや配置状況を簡単に調整できるように開発された。病院の規模や内部空間の規格によってオーダーメード型で機器を製作できるということだ。

ハン・バンウ責任研究員は「医療廃棄物の高温・高圧蒸気滅菌技術は、完全密閉環境でほとんどすべての感染菌を撲滅する方式だ。この技術を今後、感染動物の死体の滅菌処理技術にも広げる計画だ」と話した。

韓国機械研究院のリュ・ソクヒョン院長は「今回の研究成果は、政府系研究機関として国家的難題解決に寄与したことはもちろん、企業支援事業として開発された技術を大田市の産、学、研、官が協力して実証まで終えたという点で非常に大きな意味がある。今後も地域連係事業を積極的に支援し、国民の健康と安全に役立つ技術を開発するようにしたい」と話した。

(c)KOREA WAVE

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