2025 年 9月 24日 (水)
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北朝鮮紙、金正恩総書記の活動「民生1面、軍事2面」で報道…住民向け・軍事メッセージ抑制か

9月19日付労働新聞(c)KOREA WAVE

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」がキム・ジョンウン(金正恩)総書記の活動を報じる際、軍事分野よりも住民生活に直結する「民生」関連を優先して1面に配置する傾向が強まっている。

労働新聞は19日付で、キム総書記が新義州温室総合農場建設と地域開発事業を視察したニュースを1面トップに掲載。温室建設現場を点検する姿など計12枚の写真を大きく紹介した。一方、同じ日の無人装備の性能試験視察は2面扱いにとどめた。

北朝鮮で最高指導者の現地指導は最重要記事として報道されるが、分野ごとに優先度をつけて掲載するのは明確な意図の表れだ。住民には「軍備より食糧や地域発展に力を注ぐ指導者」と印象づけたい狙いがあると分析されている。

同様の事例はすでに見られている。9月9日付紙面では、キム総書記が病院建設現場を訪れた記事を1面トップに置き、同時に実施された大陸間弾道ミサイル(ICBM)用炭素繊維固体エンジン試験のニュースは小さく掲載された。韓国統一省関係者も「民生を優先する指導者像を強調する狙い」との見方を示している。

また軍事関連の動向は国内紙ではなく、朝鮮中央通信など対外向け媒体で発信される傾向が顕著だ。8月31日の軍需企業訪問や9月12日の研究所視察も労働新聞では扱われず、国外向けメッセージと位置づけられたとみられる。

専門家はこうした動きについて、経済と軍事双方での成果を均衡よくアピールし、党創建80周年(10月10日)や来年初頭の党大会につなげる狙いと指摘する。北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「キム総書記の現地指導は国防と経済を二本柱で同時に進める特徴がある。温室農場建設の仕上げを強調するのは党大会の成果を最大化する狙いだ」と述べている。

(c)news1

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