2025 年 6月 19日 (木)
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北朝鮮産の戦略鉱物「タングステン」、中国に継続的に輸出…活発な取引実態が判明

北朝鮮産タングステンの不純物含有検査結果表=中国「小紅書」(c)news1

北朝鮮産のタングステンが中国との主要鉱物取引品目として取引されていることが明らかとなった。タングステンは軍用兵器や先端産業に欠かせない金属であるにもかかわらず、国連の対北制裁対象からは外れており、これが抜け穴になっているとの指摘が続いている。

中国広東省で北朝鮮との貿易仲介業を始めたという中国人業者は自身のSNSに、北朝鮮から届いたタングステンの不純物検査結果を投稿した。それによると、試料にはタングステン40.18%、硫黄3.03%、リン1.05%、ヒ素0.93%が含まれており、「深層処理が必要」との結論が出ている。

この業者は2023年末から北朝鮮から送られてきた注文書や契約書を公開しており、その中には古いコンピュータ部品や健康食品なども含まれていた。契約書には、取引条件について「国際商取引契約のUNIDROIT2010および朝鮮民主主義人民共和国法に準拠する」と記されており、紛争時の仲裁は北朝鮮の機関に委ねると明示されている。

韓国貿易協会によると、2023年上半期の北朝鮮から中国への輸出品目でタングステン鉱は第2位にランクされ、輸出額は1350万ドルに達し、全体の7.7%を占めた。中国海関総署によれば、2022年の1月〜10月における北朝鮮産タングステンの輸入市場シェアは44.5%で世界1位だった。

米国地質調査所(USGS)の統計では、2024年の世界タングステン生産量8万1000トンのうち中国が6万7000トン(84%)を占めるが、中国国内の生産コスト上昇を背景に、北朝鮮やミャンマーなどからの低価格輸入が増加しているという。

タングステンは金属の中で最も融点が高く、硬く、密度が高い上に電気や熱の伝導性にも優れるため、武器、自動車、半導体、電気自動車用バッテリー、切削工具など多様な分野で用いられている。

(c)news1

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