2024 年 12月 22日 (日)
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北朝鮮無人機の領空侵犯時…韓国軍の情報伝達に不手際

ソウル市龍山区に設定されている飛行禁止区域(赤色の円)(国土交通省drone onestopサービスキャプチャー)(c)news1

北朝鮮の無人機が先月26日、韓国領空を侵犯した当時、韓国軍当局に状況報告・伝達プロセスに不手際があったことが明らかになった。軍当局は作戦・情報分野機能と任務遂行に問題点はなかったか総合的な検証を進めている。

◇6分間のタイムラグ

軍当局の発表と国会報告事項などを総合すると、陸軍第1軍団の局地防空レーダーの運用要員が先月26日午前10時25分、レーダースクリーン上に、北朝鮮無人機の推定航跡を初めて発見した。

だが合同参謀本部の事後検証では、この無人機の航跡はこれより6分前の午前10時19分ごろからスクリーン上に現れていたという。

北朝鮮無人機の飛行速度が時速約100キロレベルだったという軍当局の説明からすれば、6分あれば約10キロを飛行できる。

これについて、合同参謀本部は「第1軍団レーダーの運用要員は10時19分に北朝鮮地域で『未詳航跡』を初めて捕捉し追跡した。その後、未詳航跡を評価するプロセスで、これが北朝鮮地域から南側に移動したため、10時25分ごろ『特異航跡』と判断し、軍団に報告した」と説明している。

この北朝鮮無人機は、京畿道(キョンギド)坡州(パジュシ)・金浦(キムポ)一帯を通り、ソウル北部地域の上空まで飛び、龍山(ヨンサン)大統領室庁舎周辺に設定されている飛行禁止区域の北端にも一時的に侵入した。

韓国軍は空軍軽攻撃機「KA-1」を飛ばし、この無人機を追撃し続けたが、住宅街の上空だったため、撃墜できなかったという。

これらの動きについて、合同参謀本部の今回の検証では▽北朝鮮無人機の侵入当時、陸軍首都防衛司令部は直ちに状況の伝達を受けることができなかった▽対空監視を強化する発令は第1軍団の無人機の識別報告後90分余りが過ぎてから出された――などの事実関係も確認された。

2017年6月9日、江原道の野山で発見された北朝鮮の小型無人機(c)news1

◇「協力が足りない部分あった」

軍の作戦指針によれば、北側から南下してきた「未詳航跡」が捕捉されれば、無人機判定の有無と関係なく、直ちに上級部隊に報告し、隣接部隊に状況を伝達しなければならない。だが、今回はこうした手続きが適切に履行されていなかったということだ。

実際、首都防衛司令部の防空旅団は当日午前10時50分ごろ、自主的にソウル上空の「異常航跡」を捕捉し、午前11時27分ごろ、対応作戦を開始すると合同参謀本部に報告していたという。

加えて、無人機侵入に対する空軍作戦司令部による対空監視強化の発令は正午ごろだったとされ、陸軍との協力が円滑に進められなかったのではないかという指摘も出ている。

これに対して、合同参謀本部は「協力が足りない部分があった。直ちに対空監視強化を発令しなかったのも事実」と明らかにした。

ただ、合同参謀本部は「韓国軍は発令以前から、南下した未詳航跡を北朝鮮無人機と判断し、対空監視強化、空中戦力緊急投入、地上防空兵器戦闘待機など必要な作戦措置を施行していた」と説明した。

実際、午前11時39分ごろ、江原道(カンウォンド)では北朝鮮の無人機対応のため原州(ウォンジュ)基地を離陸したKA-1が墜落する事故が起きた。離陸の待機時間などをみると、対空監視強化の発令前にすでに措置を取っていたという合同参謀の説明は事実と考えられる。

(c)news1

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