
北朝鮮のチェ・ソニ(崔善姫)外相が10月26日から28日までロシアを実務訪問することが確認された。トランプ米大統領が韓国訪問を控え、キム・ジョンウン(金正恩)総書記との「サプライズ会談」に前向きな姿勢を示している中での動きだけに、北朝鮮側が事実上これを拒否したシグナルではないかとの観測が出ている。
ロシアの国営タス通信によると、ロシア外務省は26日(現地時間)、「朝鮮民主主義人民共和国のチェ・ソニ外相が26日から28日まで、ロシアを実務訪問する」と発表した。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信も同日、「チェ・ソニ外相がロシア連邦とベラルーシ共和国の外務省の招請により両国を訪問する」と報じた。
訪問の具体的な目的や詳細な日程については明らかにされていない。チェ・ソニ氏がロシアを訪れるのは、2024年10月にモスクワでプーチン大統領およびラブロフ外相と会談して以来。当時、チェ・ソニ氏は北朝鮮とロシアの戦略的関係を強調し、ロシアへの全面的な支持を表明していた。
一方、アジア歴訪中のトランプ大統領は、29~30日に予定される訪韓を前に「キム総書記との会談には100%オープンだ」と明言し、米朝首脳会談への意欲を公にしている。
しかし今回、チェ・ソニ氏がそのタイミングでロシアを訪問することで、仮に首脳会談が実現したとしても、キム総書記の「核心側近」であるチェ・ソニ氏が不在になることが濃厚となり、北朝鮮としては首脳会談を現実的に検討していない可能性が高まった。
チェ・ソニは2019年の米朝ハノイ会談をはじめ、核交渉や首脳外交の実務を担ってきた人物であり、首脳会談における「必須メンバー」とされてきた。そのため、今回のロシア訪問は、北朝鮮がトランプ氏の提案に対し、外交的に距離を置く姿勢を示したものと見る向きがある。
トランプ氏は25日、エアフォースワン機内で記者団に対し「キム総書記との会談に完全に前向きだ。彼ら(北朝鮮)が準備できているなら、私も準備できている」と強調したが、北朝鮮側は現在まで公式な反応を出していない。
トランプ政権の対北朝鮮アプローチが再び本格化する兆しを見せる中で、北朝鮮は当面、ロシアとの関係強化を優先させる構えを見せているといえる。
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