
韓国政府が2025年の1年間、北朝鮮人権財団の理事推薦文書を一度も国会に送付しなかったことが明らかとなった。北朝鮮人権法の制定から8年が経過したにもかかわらず、財団設立は事実上停滞しており、政権交代に伴う北朝鮮人権問題への関心の低下が再び問題視されている。
統一省の資料によれば、韓国政府が国会に理事推薦公文を最後に送ったのは2024年11月18日。これまでの送付回数は計14回にとどまる。
政権別では▽パク・クネ(朴槿恵)政権:3回▽ファン・ギョアン(黄教安)大統領権限代行:1回▽ムン・ジェイン(文在寅)政権:6回▽ユン・ソンニョル(尹錫悦):4回――となっている。
しかし、2024年12月に発令された非常戒厳以降、暫定政権やイ・ジェミョン(李在明)政権の発足後は、推薦公文は一度も出されていない。
また、国会推薦を受けて構成される北朝鮮人権増進諮問委員会も、2019年の第1期終了後は後任が推薦されず、現在は統一省の内部組織である北朝鮮人権増進委員会が財団設立準備などを代行している。
北朝鮮人権法第12条では、財団の理事は最大12人で、統一相が推薦する2人と、国会が与野党同数で推薦した理事で構成されると定めている。
政府関係者は「昨年は非常戒厳による政局の混乱や、国会での北朝鮮人権関連法案の提出が重なったため、理事推薦の推進が困難だった」と説明する。
政府は2025年に発表した「123の国政課題」において、「北朝鮮住民の人権増進と南北関係の発展・平和定着の調和」を掲げていたものの、ユン政権が構想した「国立北朝鮮人権センター」も『朝鮮半島平和共存センター』に名称が変更されるなど、人権問題の政策的優先順位は事実上後退している。
イ・ジェミョン政権は北朝鮮に対する融和的な政策を志向しており、北朝鮮が過敏に反応する人権問題を意図的に回避しているのではないかという指摘も出ている。
(c)news1

