2025 年 10月 13日 (月)
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北朝鮮・金正恩総書記の娘、1カ月超の“沈黙”…党創建80周年軍事パレードも姿見えず

2025年10月10日、登壇した(右から)メドベージェフ露国家安全保障会議副議長、トー・ラム・ベトナム共産党書記長、キム・ジョンウン総書記、李強首相=労働新聞(c)KOREA WAVE

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の娘が、党創建80周年を記念する大規模軍事パレードにも姿を見せなかった。9月初めに父の訪中に同行して以降、公式の場から1カ月以上姿を消している。

11日付党機関紙・労働新聞によると、軍事パレードは10日午後10時ごろから約1時間半にわたり平壌・金日成広場で盛大に開催された。最大の関心は娘の出席だった。娘は9月2~4日の中国訪問に同行し、後継者としての地位を確立したと評されていたため、今回の式典で中国・ロシア・ベトナムなどの外賓と並んで登場すれば、北朝鮮が公式に「後継者」を内外に示す節目になるとみられていた。しかし報道によれば、娘の姿は確認されなかった。

娘に登場したのは、9月5日に北京から平壌へ帰国した際であり、それ以降1カ月以上にわたり“沈黙”を続けている。

娘は2023年9月の「政権樹立75周年」軍事パレードでは主席台に上がり、父親の隣で行事を見守った。当時、軍高官が彼女の前でひざまずいて敬礼する場面が演出され、国内外で「後継者登場」と大きな注目を集めた。

今回の不参加をめぐっては、キム総書記が社会主義陣営の結束を強調し、外交的なメッセージに焦点を置くため、意図的に娘を登場させなかったとの分析が出ている。軍事パレードには中国の李強首相やロシアのメドベージェフ国家安全保障会議副議長、ベトナムのトー・ラム共産党書記長ら、主要社会主義国の指導者級が異例の規模で出席した。

慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「娘が登場すれば国際社会の関心が再び『北朝鮮の後継者問題』に集中してしまう。それを避けた可能性が高い。同様の理由で妻リ・ソルジュ(李雪主)氏も欠席したとみられる」と分析した。

また、娘がまだ幼く党から公式の肩書を与えられていない点も、外賓と同列に立つには制約があったとの見方もある。9月の訪中時も、娘は到着・帰国時のみ北朝鮮メディアに登場し、公式行事には同行しなかった。

さらに今年は、キム総書記が2021年の第8回党大会で提示した「国防・経済発展5カ年計画」が完結する節目であり、来年初頭の第9回党大会に向けた成果誇示の時期でもある。イム教授は「今回の軍事パレードで新型大陸間弾道ミサイル『火星20型』や新型戦車など最新兵器が多数登場したことから、キム総書記が軍事的成果を全面に打ち出す意図があったとみられる」と述べた。

(c)news1

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