
北朝鮮が「核動力戦略誘導弾潜水艦」と称する原子力潜水艦を公開した際、キム・ジョンウン(金正恩)総書記と娘が着ていた服が、6日前の地方工場竣工式で着用していたものと同一であることが確認された。日時が明かされていない原子力潜水艦の視察が、実際には19日の工場視察と同日だった可能性が高まっている。
党機関紙・労働新聞は12月25日、キム総書記が娘と共に原子力潜水艦建造現場を視察したと報道したが、視察の日付は明かされなかった。キム総書記が軍事施設を訪問する際、動線や場所の秘匿を目的に日時を非公開とするのは従来からの手法だ。
だが今回は、19日に咸鏡南道新浦市で開かれた地方工業工場の竣工式と服装が全く同じであり、原子力潜水艦建造施設が新浦造船所とみられている点を踏まえると、二つの視察が同じ日だったとみられる。
軍事施設の視察を秘密裏に実施すること自体は珍しくないが、同一日程を数日空けて報道するのは異例だ。これについては単なる動線の秘匿に加え、軍事的メッセージと民生アピールを分離し、それぞれの効果を最大化する意図があったとする見方がある。
19日の新浦市での竣工式は、北朝鮮が年末に強調する「地方発展20×10政策」の一環で、民生・経済関連の成果をアピールする場だった。北朝鮮メディアは同時期に複数の地方工場竣工式を集中して報道しており、政策成果の宣伝を最優先したものと考えられる。
実際、キム総書記が工場を視察したと報じた21日、労働新聞は紙面の大半を使い、地方発展関連の成果報道に充てていた。100枚以上の写真を用いた大々的な報道からも、その重視ぶりがうかがえる。
このような中で原子力潜水艦視察の報道が同時に出ると、民生分野の成果アピールと軍事的誇示が相互に打ち消し合う可能性があるため、報道タイミングを意図的に分けたとする分析が出ている。
さらに25日に公開された原子力潜水艦は、北朝鮮が初めて艦体全体を示した戦略兵器であり、米韓への牽制を意図したものだった。同日の国防省談話では、米原子力潜水艦の釜山入港を非難しており、新型地対空ミサイルの試験発射や、ロシアのプーチン大統領が送った年賀メッセージ全文も併せて公開された。
これら一連の動きは、北朝鮮が戦略的兵器の公開を通じて対外的な圧力を強めると同時に、民生政策の成果を国内外に訴えるため、報道時期の調整を図った証左とみられる。
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