2026 年 3月 1日 (日)
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北朝鮮・金正恩総書記、年末に「粛清の風」を吹かせるか…幹部に「厳しい責任追及」予告

4日、平壌の学用品工場と教具・備品工場の建設現場を視察するキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記=労働新聞(c)KOREA WAVE

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が、年末に開催される党中央委員会総会を控え、幹部に対する厳しい処分方針を明確に示し、いわゆる「粛清シーズン」の到来を予告した。

キム総書記は、今年9月初旬の中国・抗日戦勝80周年記念行事、そして10月10日の朝鮮労働党創建80周年を機に、社会主義友好国との外交に集中していたが、年末までは民生および経済課題の解決に向けて、内政に重点を置くものと見られている。

5日付党機関紙・労働新聞によれば、キム総書記は4日に文房具工場および教材工場の建設現場を視察し、「工事の進行が予想よりも遅れている」として、年末までの完成を厳命した。

特に、工事の遅延は幹部の「態度の問題」に起因するとし、「党の政策や国家の未来に対する内閣および教育部門幹部の観点と姿勢に問題がある」と強く非難。2021年の第8回党大会で決定された教育インフラの強化計画が、未だにまともに履行されていないと指摘した。

さらにキム総書記は「毎回の党中央委員会総会で同じ内容の決定が8回も採択されているのに、実行されず、関係部署からは実効性ある方策も提示されていない」「国家の重要事業が長年放置された理由について、厳しく総括すべきだ」と語った。

また、10月8日には党創建記念施設を訪れ、党内に蔓延する規律緩み・官僚主義・腐敗に言及し、「党の権威を損なうあらゆる要素や行為を摘発し、速やかに除去せよ」とも発言している。

キム総書記は2021年以降、「幹部革命」を掲げ、幹部に対して強い責任感と役割を求めてきた。2024年夏、鴨緑江流域で大規模な水害が発生した際は、幹部が適切な予防措置を取らなかったとして責任を問うた。また今年初めには地方幹部の「飲酒接待行為」を摘発し、異例の公開批判と厳正な処分を指示したこともある。

このように、幹部の態度を連日問題視していることから、一部では「12月の党中央委員会総会で大規模な人事処分が断行されるのではないか」との見方が出ている。

北朝鮮が最高指導者の叱責内容を国民が目にする新聞で報じるのは、それに見合う処分が続くことに加え、他部門にも警戒を促すメッセージ性を持つと考えられる。こうした方式は、キム総書記の祖父・父の時代から続く典型的な「労働党式幹部統制」とも言える。

実際、キム総書記は実力者であっても一時的に解任・降格させ、一定期間後に復帰させるという手法で、常に幹部社会に緊張感を与えてきた。

たとえば、2022年末の党総会後、軍序列2位だったパク・チョンチョン(朴正天)党軍事委員会副委員長を突然解任して軍に引き締めを図り、1年後に復帰させた。また今年初、地方幹部の飲酒接待事件では、側近のチョ・ヨンウォン(趙甬元)党組織書記に「謹慎処分」を下し、一時的に活動を制限させた例もある。これは、誰であっても「党の決定」に背けば例外なく処罰されるという強いメッセージだ。

一方で、今回の発言が必ずしも大規模処分に直結するわけではなく、あくまで「引き締めムード」を作るための警告的措置だという見方もある。 現在は経済的成果の確保が優先される時期であり、幹部層を過度に萎縮させるのは得策でないとの判断もあるからだ。

韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「最近、地方工業工場や平壌総合病院など、大規模プロジェクトが増えたことで、キム総書記の発言も厳しくなっているが、これが必ずしも実質的な処分に直結しているとは限らない」と分析している。

(c)news1

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