2026 年 1月 23日 (金)
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北朝鮮はもはや「米国の最重要関心事」ではない…韓国の紛争地域に対する統制力低下も懸念

(c)Reuters/news1

米国の対外戦略が根本的に再編される中で、結果的に各国の軍拡競争を加速させ、その過程で北朝鮮の戦略的影響力を高めているとの分析が示された。

北朝鮮専門メディア「38ノース」は22日、朝鮮半島問題コンサルティング会社「ストラテジック・リンクス(SL)」創設者で、ジュネーブ拠点の人道対話センター(HD)上級顧問を務めるイ・サンス博士の寄稿文を掲載した。

イ・サンス氏は、北朝鮮がもはや米国のインド太平洋戦略における中核的関心対象ではなくなったと指摘する。非核化に関する言及が、米国の主要戦略文書である国家安全保障戦略(NSS)から姿を消し、米韓2国間文書や日米韓3カ国共同声明に限定的に登場するにとどまっている点を根拠として挙げた。

こうした沈黙は、単なるレトリックの変化ではなく、米国が朝鮮半島の危機管理から段階的に距離を取り、対北朝鮮抑止の責任を韓国や日本など域内同盟国へ移そうとする意思を反映していると分析する。とりわけ朝鮮半島では、その負担が韓国に集中しつつあり、これは安定的秩序への移行ではなく、より不安定で予測不能な安全保障環境への転換だとして懸念を示した。

この戦略変化は北朝鮮の行動にも影響を与えているという。北朝鮮にとって、米国の関心低下は行動の自由度を広げ、韓国への圧力を通じて抑止力の強化や国内政治的正当性の確保につながるという「戦略的利益」をもたらす、との認識を強める要因になっていると指摘した。実際、北朝鮮は近年、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の公式演説や教理改定、南北関係を敵対関係と規定する法整備などを通じて、こうした認識を制度化してきた。

この文脈で、北朝鮮の軍事的挑発には単なる威力誇示にとどまらず、現状を段階的に変更する明確な戦略目的が内包されている可能性があるとする。米国の姿勢変化の隙を突き、韓国が長年実質的に管理してきた紛争地域――特に北方限界線(NLL)や韓国防空識別圏(KADIZ)――に対する統制力を徐々に弱め、軍事的緊張を高めることで、韓国内の政治的負担と分断を拡大させる狙いがあるという見方だ。

さらにイ・サンス氏は、従来は政治的配慮の下で抑制されてきた韓国の対応水準が、最近の安全保障環境の変化と相まって揺らいでいるとも指摘する。韓国政府が進める先端兵器体系の強化など自立的抑止力の拡充は、有事の迅速かつ強力な対応を前提とするためだ。

イ・サンス氏は「米国の安全保障負担の移転それ自体が本質的に不安定を招くわけではない」としつつも、「明確な安全装置がなければ、各当事者がより大きなリスクを取るよう促される」と警告する。その結果、北朝鮮は限界を試し、韓国は対応水準を引き上げ、地域の大国は波及効果への備えを強める構図になるという。

(c)news1

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