2025 年 6月 4日 (水)
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北朝鮮の電力・石炭技術者、中国で育成…中朝改善ムード、水面下の交流が活発化

5月18日、中国河南省の平頂山工業職業技術学院で開催された「北朝鮮石炭専門技術人材育成課程」=同学院ホームページ(c)news1

北朝鮮の石炭・電力分野における技術者たちが、ここ数年の間に中国で実施された技術研修プログラムに参加していたことが確認された。冷え込んでいた中朝関係が改善の兆しを見せる中、北朝鮮が強く必要とする分野を中心に両国間の水面下での交流が拡大していく可能性が指摘されている。

中国河南省の平頂山工業職業技術学院は、自校の公式ホームページで「北朝鮮石炭専門技術人材育成課程」が今月18日にスタートしたと明らかにした。今回の研修には北朝鮮から20人の研修生が参加し、14日間にわたり専門的な教育を受ける予定だという。

この育成課程は中国商務省が後援し、同学院の外国援助教育センターが主催する「外国援助教育事業」の一環。

同学院は2021年に商務省の承認を受け、この育成事業を進めてきたと見られている。北朝鮮の石炭産業における技術・管理人材が実用的なノウハウや中国の経験を学ぶことで、北朝鮮国内の石炭産業のボトルネックを解消することが目的とされている。

2023年には、北朝鮮に続き、他の開発途上国の石炭採掘専門家を対象とした育成課程も承認されている。今回の研修は石炭産業の最新トレンドや北朝鮮の地域的技術ニーズを踏まえ、現場実習や交流を重視した実践的な内容となっている。

また、17日に中国のSNSに掲載された投稿では、湖南省長沙市のホテルで、中国国有企業の中国電力建設(中国電建)が北朝鮮の「電力省専門技術者」「発電設備製作技術者」「エネルギー応用技術者」らを対象に講義している様子が確認された。

投稿には、左胸に「キム・イルソン(金日成)・キム・ジョンイル(金正日)バッジ)」を着けた北朝鮮側の参加者らが、受付カウンターで「中国電建」のロゴが入ったTシャツを受け取る様子が写っていた。具体的な講義日程は明らかにされていない。

中朝関係は2022年から2024年にかけて北朝鮮とロシアの関係が急速に接近した時期、一時的にやや距離を置いた様子を見せた。しかし、この間も北朝鮮が必要とするインフラ分野においては、中国からの支援が「低いレベル」で継続していたと見られる。

2025年に入り、北朝鮮と中国は関係改善に積極的に取り組む姿勢を見せている。外交当局間の高官レベルでの接触が再開され、友好ムードの醸成が続いている。これを受け、今後は経済分野においても中国による対北朝鮮支援の拡大が予想されている。

(c)news1

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