2025 年 3月 31日 (月)
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北朝鮮の観光中止は「観光客の無制限撮影」が原因?……旅行者「撮影禁止のはずが黙認状態」

北朝鮮・羅先市にある「黄金の三角州銀行」の内部=ユーチューブチャンネル「シドニー韓流の世界旅行」キャプチャー(c)news1

北朝鮮が5年ぶりに再開した外国人観光を、わずか3週間で再び全面中断するに至った。その原因について「観光客の統制不備」が指摘されるなか、それを裏付ける映像が公開された。

オーストラリア在住の韓国系ユーチューバー、キム・ヨンイル氏は16日、自身のユーチューブチャンネル「シドニー韓流の世界旅行」を通じ、北朝鮮観光に関するレビュー動画を公開した。キム・ヨンイル氏は今月3日から6日までの3泊4日、海外の北朝鮮専門旅行会社を通じて羅先(ラソン)市を団体で観光したという。

現在、北朝鮮は韓国や米国籍の旅行者については入国を認めていないが、キム・ヨンイル氏のような海外国籍を保有する韓国系住民に対しては特別な制限なく観光を許可している。

キム・ヨンイル氏が公開した動画には、羅先観光初日に訪れたチョンハク休養所、チョンハクミネラルウォーター工場、黄金の三角州銀行などの様子が収められていた。

事前に北朝鮮当局から「銀行などの主要施設では写真および動画撮影は禁止」との説明があったものの、映像ではキム・ヨンイル氏を含む大半の観光客が自由に撮影している様子が映っている。

キム・ヨンイル氏は「写真を撮るなと言われたが、みんな無視して撮影している。ガイドも何も言わないので、撮影が黙認されているようだ」と現場の雰囲気を伝えた。

撮影が厳しく制限されていたはずの「黄金の三角州銀行」の内部でも、観光客たちが自由にカメラを向けている場面が確認された。キム・ヨンイル氏は羅先市内を巡りながら「最初は写真撮影に制約があるかと思ったが、実際には何も言われなかった。観光客たちは通行人を撮影したり、自由に撮っている」と語った。

北朝鮮は過去、開城(ケソン)や金剛山(クムガンサン)観光でも、軍人や南北の境界地域付近の出入国施設、市内や住民の撮影を厳しく統制していた。羅先観光においても同様の規則が適用されていたが、実際にはほとんど守られていなかったことが明らかになった。

北朝鮮が今回、観光客統制の「原則」が守られなかったことを問題視し、外国人観光を全面的に中断した可能性が指摘されている。

特に、海外からの旅行インフルエンサーの入国管理が注目されている。観光再開直後、各国のインフルエンサーが「未知の観光地」として北朝鮮を訪れ、多くのレビューを投稿したが、その内容には北朝鮮当局が望まない後進的な実態や、体制に対する否定的評価が頻繁に含まれていた。

(c)news1

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