
北朝鮮・平壌の「ニュータウン」とされる和盛地区第3段階区域にある「アミ山自動車技術サービスセンター」で、BMWやアウディ、ボルボ、トヨタなどの高級外国車が多数展示されている様子が12月1日、中国SNS「小紅書」に投稿された。
投稿したのは中国からの留学生で、北朝鮮の大学院に在籍しているというユーザー「恩情博士」。投稿した写真には、アウディA8、BMW5シリーズ、ボルボS90、トヨタのハイブリッド車と思われる車両が映っている。ナンバープレートには「アミ山自動車技術サービスセンター」の表記があり、これらの車両が同施設で販売されていることを示している。
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙・朝鮮新報も10月28日、アミ山自動車技術サービスセンターについて「販売と修理を含む総合的な自動車サービス拠点」として紹介し、乗用車やSUV、バス、オートバイ、自転車などを取り扱っていると報じた。ただし、具体的なブランド名については言及していなかった。
北朝鮮では2017年、個人の自動車所有が認められた。だが、登録は法人・機関名義に限定されており、実際には「法人所有の個人利用」にとどまっていた。だが2024年に自家用車関連の法制度が改正され、個人名義での登録が可能になったとされる。
シンガポールの写真家アラム・パン氏は、2025年10月に開催された朝鮮労働党創建80周年行事の取材で平壌を訪れた際、「2001番から始まる黄色いナンバープレートの車両を少なくとも100台以上確認した」とし、「最大で5858番まで見かけた」と明かしている。これにより「個人が所有する車両が少なくとも3858台はある」と推定される。
もっとも、依然として車の所有が可能なのは党や政府関係の高位幹部、もしくは資産家といった「特権層」が中心とみられている。
こうした背景のなか、北朝鮮では中古車の輸入も活発になっていると見られており、国連の対北朝鮮制裁にもかかわらず、ペーパーカンパニーを通じて中国や東南アジアから組織的に輸入している可能性も指摘される。
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