
北朝鮮で半世紀以上にわたり朝鮮中央テレビの看板を務めるリ・チュニ(李春姫)アナウンサー(82)が、政権樹立77周年(9・9節)行事に姿を現し、健在ぶりを誇示した。かつて引退説が流れたが、依然として体制の宣伝分野で特別な地位を占めていることが確認された。
朝鮮中央テレビは9月9日、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が参加した国旗掲揚式と中央宣誓集会の様子を放送。会場で功労者と「努力革新者」が拍手で迎える中、最前列でキム総書記を出迎えるリ・チュニ氏の姿がクローズアップされた。
リ・チュニ氏は1971年からニュースを担当してきた「北朝鮮放送の顔」であり、核実験や現地指導など政権にとって重要なニュースを専属的に伝えてきた。
2011年10月を最後に姿を消した際には引退説が取り沙汰されたが、同年12月の先代のキム・ジョンイル(金正日)総書記の死去を伝える放送で復帰。その後も「1号ニュース」を読み上げる中心的存在であり続け、キム・ジョンウン総書記はリ・チュニ氏に特別待遇を与えてきた。
さらに2024年にはキム総書記を称える歌「親しい父」のミュージックビデオに他のアナウンサーとともに出演。映像の中央に立ち、カメラに向かって親指を立てる姿を見せ、体制宣伝の「象徴」としての存在感を改めて示した。
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