2024 年 12月 27日 (金)
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北朝鮮の相次ぐミサイル発射は「核実験の布石」なのか (下)

韓国国家安全保障会議(NSC)常任委員会(大統領室提供)©news1

◇10月の朝鮮労働党創建日まで挑発継続か

専門家は、北朝鮮の今週のミサイル発射が、これらの合同演習に反発すると同時に、最近の台湾問題やロシアのウクライナ侵攻などに集中している米国の関心を引くための行動である可能性に言及している。

米朝対話は2019年2月、ベトナム・ハノイで開かれた北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記とトランプ米大統領(当時)の首脳会談が決裂して以後、事実上断絶した状態だ。昨年1月のバイデン米大統領政権発足後も、これは変わっていない。

北韓大学院大のヤン・ムジン教授は今週、北朝鮮のミサイル発射を「多目的」と規定し、「韓米訓練、ハリス副大統領の訪韓などに対する警告メッセージであり、同時に自分たちの存在感をアピールする意図がある」と解釈した。

峨山政策研究院のヤン・ウク副研究委員も「北朝鮮が米国に向かって『私に関心を持ってほしい』と言っている。武力挑発を通じて強く出れば、対話の道が開けると考えているのかもしれない」と伝えた。

専門家は、北朝鮮の挑発が今後も当面、続くと見ている。中国の習近平国家主席の「3期目」が確定する中国共産党大会(10月16日開幕)の時期は控える可能性が高いが、少なくとも来月10日の朝鮮労働党創建第77周年記念日前後までは大小の挑発が続く可能性があるということだ。

◇「いつでも核実験できる状態」

韓国軍当局は最近、北朝鮮海軍潜水艦基地がある咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)一帯で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)関連動向を把握している。

さらに米韓当局は、北朝鮮が咸鏡北道(ハムギョンプクト)・豊渓里(プンゲリ)の核実験場で、いつでも第7回核実験を強行できる状態だと判断している。

ヤン教授は「北朝鮮は追加の挑発によって『核能力高度化、核力強化は空言ではない』という点を強調する。米国の戦略資産が朝鮮半島に展開するなど拡大抑止が強化されれば、これを口実に最後には7回目の核実験を強行するだろう」と見通している。

「拡大抑止」とは核戦略用語で、米国が、敵対国の核攻撃の脅威を受ける同盟国に、核の傘とミサイル防御体系などを提供し、米本土に対する脅威に相応するレベルの核抑制力を行使するという概念だ。

韓国軍当局は、米国の拡大抑止の実効性を強化するために、米国側と具体案を論議している。早ければ今年第4四半期中に開催される米韓安全保障協議会(SCM)で結果がまとまると予想される。

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