2025 年 3月 31日 (月)
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北朝鮮の原子力潜水艦は6000~7000トン級と推定…米朝対話狙いの公開か

北朝鮮が公開した原子力潜水艦の建造現場の様子=朝鮮中央テレビキャプチャー(c)news1

北朝鮮が今月初めて建造事実を公表した原子力潜水艦は、排水量6000~7000トン級で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と潜水艦発射巡航ミサイル(SLCM)を同時に搭載できるとみられる。韓国国防研究院(KIDA)の専門家らはこのように分析し、米朝対話を念頭に公開した可能性が高いと指摘した。

KIDAのイ・サンギュ核安保研究室長とシン・スンギ研究委員は25日、「北朝鮮の原子力潜水艦建造実態分析と評価」と題した報告書を発表し、北朝鮮が「核動力戦略誘導弾潜水艦」と称して公開した艦艇は、中国や英国の一部原子力潜水艦と同等の6000~7000トン級と推定されるとした。

米海軍のロサンゼルス級攻撃型原潜が約6000トンであることを考えると、北朝鮮はそれに匹敵、あるいはそれ以上の規模の潜水艦を建造中であるとみられる。なお、韓国海軍の最新潜水艦は通常動力型で、3000トン級にとどまっている。

北朝鮮は今月8日、労働新聞で初めて原子力潜水艦の建造を明らかにした。これは2021年の第8回党大会で発表された国防力強化「5カ年計画」の中核課題の一つであり、建造の実態が確認されたのは今回が初めてだ。

報告書は、北朝鮮の新型潜水艦は2023年に公開された戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄艦」より大きく、原子力による推進方式に転換されたと推定される。中・大型級のミサイルを搭載可能であり、「戦略誘導弾」という表現から、SLBM 6~12発とSLCM約10発を同時搭載する可能性があると分析している。

ただ、この潜水艦が実際に運用されるまでには少なくとも10年以上が必要と予想される。潜水艦用原子炉には高濃縮ウラン(HEU)または20%以上の濃縮ウランが必要であり、これを実証するためには実験炉の建設が不可欠だが、北朝鮮がその段階に達しているという情報はまだ確認されていない。

さらに北朝鮮は、建造における技術的課題の解決や建造スピードを上げるため、ロシアに支援を要請したか、今後要請する可能性が高いとみられている。もしロシアからの原子力技術支援があれば、開発の進展は加速するとの見方もある。

研究チームは、北朝鮮が今回の公開を通じて米朝間の対話において主導権を握る狙いがあると見ている。昨年9月と今年1月にはウラン濃縮施設の存在も公開しており、核保有を既成事実化して「完全な非核化」ではなく「スモールディール」「核軍縮・軍備管理」「リスク削減」といった漸進的なアプローチを米国に迫ろうとする戦略的意図があるという。

(c)news1

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