2025 年 10月 26日 (日)
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北朝鮮の「極超音速ミサイル」再び見誤ったか…韓国軍の探知内容と大きな食い違い

ユ・ヨンウォン議員室提供(c)news1

北朝鮮が10月22日に発射した短距離弾道ミサイル(SRBM)について、韓国軍の初期分析と23日に北朝鮮が発表した内容が大きく異なることが明らかとなり、韓国軍の「極超音速ミサイル」探知能力に再び疑問の声が上がっている。

北朝鮮の朝鮮中央通信は、「ミサイル総局が重要武器体系の試験を成功裏に実施した」と報じ、「平壌市力浦区域から北東方向に発射された2基の極超音速飛翔体が、咸鏡北道漁郞郡のクェサンボン付近の目標を命中した」と発表した。

発射を参観した朝鮮労働党中央軍事委員会のパク・ジョンチョン(朴正天)副委員長は「新しい武器体系の先端性は、我々の自衛的国防技術力が不断に刷新されている証拠」と強調した。

北朝鮮は明確なミサイル名を明らかにしなかったが、「極超音速飛行体」「新しい武器体系」といった表現から、10月上旬の軍事博覧会「国防発展-2025」で初公開された新型ミサイル「火星-11マ」の可能性が高いとみられる。

この火星-11マは、従来の戦術誘導弾「火星-11ガ(KN-23)」に、極超音速滑空体(HGV)を組み合わせた形式の短距離弾道ミサイルだ。大気圏内の低高度を不規則に機動しながら飛行するため、従来のミサイルよりも発射軌道の探知が難しく、迎撃困難とされる。速度は少なくともマッハ5以上が極超音速とされ、マッハ7~10以上であれば戦略的優位性が高いとされる。

韓国軍は今回のミサイルについて、発射地点を「黄海北道中和一帯」と判断しており、北朝鮮が発表した「平壌市力浦区域」とは約50キロの差がある。また、飛行距離も北朝鮮側発表の400キロに対し、韓国軍は350キロと見ている。ミサイルの種類も、韓国軍は「極超音速型ではなく、一般的なSRBM『火星砲-11ダ-4.5』である可能性が高い」と判断した。

さらに、軍関係者は「発射されたミサイルはSRBMの軌道を描いており、極超音速ミサイルに見られる滑空や回避機動は確認されなかった」と明言した。

ある軍消息筋も「北朝鮮が公開したのは飛行中の画像のみで、発射シーンが公開されていないことや、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が発射を参観しなかったこと、過去の事例から見ても北朝鮮は巧妙な情報操作をしてきた」とし、発表内容の全てを鵜呑みにすべきではないと指摘した。

韓国空軍のソン・ソクラク参謀総長もこの日、国会国防委員会の国政監査で「今回のミサイルが本当に火星-11マかどうかは現在も評価中」と述べ、「我々の情報はデータに基づいており、北朝鮮側は文章で表現しているため、違いがある」と北朝鮮の“欺瞞戦術”の可能性を示唆した。

国民の力のユ・ヨンウォン議員も「今回の弾頭の形状は極超音速滑空体の特徴を持つが、本当に低高度での極超音速滑空が可能かどうかは不明だ。むしろ命中精度を誇示するために意図的に公開した可能性がある」と述べたうえで、「今後も韓米の防空網を無力化するための極超音速ミサイル試験を続けるだろう」との見方を示した。

(c)news1

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