
北朝鮮に最近、スウェーデンの多国籍企業イケア(IKEA)の商品や陳列方法、フードコートなど、全体的なコンセプトを模倣したかのようなショッピングモールが登場した。
中国浙江省杭州市に住むという中国人が6月2日、自身が北朝鮮で撮影したとして、Xのアカウントに写真を公開した。写真には平壌市楽浪区域にあるという「楽浪愛国金剛館」の内部の様子が収められている。
写真からは、イケアの店舗で販売されているオランウータンやゴールデンレトリバーなどの「シグネチャーぬいぐるみ」に似たぬいぐるみが販売されている様子が確認できる。

また、椅子などのオフィス用品を販売するコーナーの商品の配置方式もイケアの店舗と非常に似ている。特にイケアのフードコートで使用される特有のカートは、ほぼ同じ外見と色でデザインされているように見える。
この写真を撮影した中国人は「すべてが複製品というわけではないようだが、全体的な店舗の雰囲気やイケアのようなセルフサービス方式のレストランがある点で非常に似ている」と評価した。

今年初めにも、平壌にいる中国人留学生のSNS動画に、北朝鮮で撮影されたイケアの看板が登場して注目を集めた。動画には、平壌の柳京金色商業中心(柳京ゴールデンプラザ)内のショッピングモールに、青と黄色のイケアのロゴが描かれた看板が登場した。
今回、「楽浪愛国金剛館」の存在が初めて確認されたことになる。北朝鮮がイケア方式の店舗構成に関心を持ち、積極的に「類似品」を導入しているものと解釈できる。
また別の中国人留学生も最近、自身のSNSに「楽浪愛国金剛館」で撮影した、スターバックスの高級ブランド「スターバックス・リザーブ」に似たロゴおよび店舗の雰囲気を持つカフェの投稿を掲載した。

北朝鮮のこのようなやり方は、ここ数年重視してきた各分野の「現代化」方針によるものと見られる。ただし、当面は「創意的な北朝鮮式」成果物を追求するというよりは、西側のものを模倣する方式で「迅速な成果」を出すことに注力しているようだ。
一部では、こうした施設が平壌に集中していることについて、平壌の住民が他の地域の住民よりも外部情報に明るいため、当局が彼らのニーズに応えるための苦肉の策を打ち出しているのではないかと見る向きもある。
国連安全保障理事会は対北朝鮮制裁決議により、すべての加盟国が北朝鮮の個人および団体との既存または新規の合弁投資を禁止することを規定しており、それにより国連加盟国は北朝鮮との合弁事業や協力体を運営することはできない。
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